32話 逆襲のレッドロン

・星史とダ・ガーンが、先日の『光の洞窟』での出来事について話し合っている。
星史はヤンチャーを全く信用していないが、ダ・ガーンはそうでもなく、『敢えて敵の中にいるのでは?』という考えを捨てない。
セブンチェンジャーに撃たれたダ・ガーンだが、それでも「手加減しているようにみえた」と言うのである。
一番被害をこうむったであろうダ・ガーンのセリフに、星史は半ばあきれてしまっている。
・『レストランつくし』でご飯を食べるヤンチャー。
お金が無いのを分かっていながら食べさせてあげているご両親。
帰宅したヒカルが、ヤンチャーに優しくしてご飯まで食べさせる理由を聞くと、ご両親は「あの子は母親がいないのでは?」と言うのだ。
それを聞いたヒカルは驚きを隠せなかった。単なる同情ではなくどちらかというと『憐れみ』に近い。人の世話を妬くのが好きなヒカル。仲の良い両親と過ごしていますから、ショックだったようです。
・ヤンチャーが星史の部屋に勝手に侵入し、星史と鉢合わせ。
不法侵入しておきながら偉そうなヤンチャー。「俺は味方だ」は叫ぶが、不法侵入しておいてそりゃぁないだろうよ。
当然星史は竹刀で応戦し、狭い室内での格闘に悪戦苦闘する。
ポスターは破れ、お気に入りのプラモデルは壊れ‥‥(-_-;)。
最もお気に入りのプラモデルをヒカルに壊されても星史は苦笑いを浮かべながらも許していたが、赤の他人に壊されたのなら話は違う!
※星史の部屋のゴミ箱が、初代エクスカイザーのED画なのには笑った。
・TV局がレッドロン率いるロボ軍団に占拠されてしまった。
『大人しくダ・ガーンを引き渡せば人質の命は助ける』。う〜ん、こんな交換条件持ちかけられたよ星史君。どうする!?
人質の中には星史の母親もいる。
銃を突き付けられ、青ざめた顔でレッドロンからの声明文を読まされている母親の映像を観て、星史は大パニックになり、なぜか竹刀を持って大急ぎで局に向かう。
星史の慌てる様子を目の当たりにしたヤンチャーもTV局へ向かう。星史は嫌いだが、『母親』という言葉を聞いたのだ。助けなければ──という気持ちの方が勝っている。
・レッドロンの声明と人質を無視して、攻撃をしかけている防衛機構軍に星史はブチ切れる。
ダ・ガーンと別れ、TV局に乗り込もうとする星史を、軍人が引き留める。どうやら話を聞こうとしているらしい。
しかし星史は「地球防衛機構軍なんかに用はないよ」と吐き捨てた。
・人質を助けるためにTV局に乗り込んだものの、逆に拘束されてしまう星史(‥‥バカ)。
改造され、感情がなくなってしまったレッドロン。レッドロン好きだったのになぁ〜惜しい!
星史は、レッドロンからダ・ガーン達の攻撃を今すぐやめるよう脅迫されてしまう。
人質を盾にされている星史は言われるがままにダ・ガーン達に『攻撃中止』の命令を下し、ダ・ガーンはその命令に忠実に実行し、やられるがままである。
しかし、いくら星史の命令が絶対だからとはいえ、自分たちの生命が危うくなっても律儀に守るとは‥‥。命令をもらわなければ、闘わないし合体もしないし逃げもしない。
ねぇ貴方達、まさか体内に爆弾が仕込まれていてさぁ、隊長の命令に背くと爆発するとか‥‥そんなことないよね(^_^;)
※でも、この命令システムは子供たちが虜になったそうで、夢中で命令してたみたいです。その後、勇者シリーズは命令システムを引き継いでいったのだから、『当たった』のでしょう。だって私だって、自分の思うまま命じたままに動くロボットなんて、絶対欲しいよ。
・隙を見て、竹刀でレッドロンに襲い掛かろうとする星史(すごい)だが、やっぱり見透かされ、ぶっ飛ばされてしまう。
腹を押さえて蹲っている星史にすかさず駆け寄り助ける美鈴さん。
勿論、キャプテンスーツの中身(?)が星史とは気づかないが、母性が黙っちゃいなかった。
作戦を持たずにやってきた星史はお手上げであったが‥‥窓ガラスを割ってヤンチャーが侵入(この子はこのパターンなのね)。
・ヤンチャーの活躍によって星史の母親を含めすべての人質が解放された。
美鈴からお礼を言われたヤンチャーは、彼女の手を取って目を潤ませている。『母』への憧れが、このワンシーンに濃縮されています。
そこへ星史が登場。てっきりヤンチャーにお礼をいうのかと思えば、自分の母に近づくなと言わんばかりにヤンチャーを引きはがす。
せっかく助けてあげたのにこの言葉。さすがのヤンチャーも怒ってしまい、美鈴の目の前で取っ組み合いのケンカを始めてしまう。
するとイ美鈴が「よしなさい!兄弟喧嘩は!」と一喝。「あなたたち、兄弟なんでしょ!?」。
同じキャプテンスーツを着ているからか、それとも『取っ組み合いのケンカが出来る仲』といえば兄弟しかいないと思ったのか‥‥。
すっかり2人は戦意を喪失し、星史はヤンチャーの首根っこを掴まえて人目につかない場所に連れ出すと、二度と自分の母親に近づかないよう念を押す。
てっきりヤンチャーは反撃してくるかと思いきや、星史の無知に痺れを切らし、「自分が幸せだと気付いていない!」と叫んだ。
「母なる大地で母上と生活が出来ている。俺に協力しなきゃそれを全部失うかもしれないんだぞ!」
ヤンチャーは母だけではなく父も、友も、母なる大地も全てを失っている。
今、星史は普通に暮らしているが、その普通が当たり前すぎて、実は“恵まれている”ということに気付いていない。それに腹が立っているのだ。
ヤンチャーは星史のことは嫌いだが、星史が『地球を守る勇者たちの隊長』である以上、星史の力になろうとしている。
二度と自星での悲劇を繰り返さないために、ヤンチャーは必死なのである。
隊長として相応しいのは、ヤンチャーのほうですね。
因みにドラマCD『ミステリアスベル』では、キャラクターの過去〜現在のお話がメインなのですが、ヤンチャーが星を滅ぼされてから今に至るまでの葛藤が描かれています。
※星史が料理好きの理由‥‥母親が料理苦手なら「子供を料理好きにすればいい」という発想は凄かった(笑)。


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