35話 地球(ほし)の歌を聞け

・前回までの闘いが続いている。
数としては、3対3だし、一度はやっつけた相手だから勝てそうな気がするものの、戦略家のビオレッツェの元、一丸となって向かってきているので、歯が立たない。
こんなデキル敵には、それこそデタラメに闘ってはダメなのだが‥‥今日も、星史の命令はデタラメだった。
「とにかく一カ所に固まれ!」って、その命令の意図は──ない。そのため、これぞ『一網打尽』ってな感じで攻撃されてしまう。
命令をミスった星史は、「散れ!」と命令。その命令の意図は──またもやない(いい加減にしなさいよ星史)。
合体を解いたセイバーズとランダーズだが、合体しても適わないんだから、個々に散っても無駄というもの。
かくなるうえは──「逃げろ!」だった。
・無人島で、敵に敗北を期したことと、ヤンチャーに『資格が無い』と言われたことに腹が立ち、イライラしている星史。
「戦いに勝ち負けは当然」「生きてるからいいじゃないか」と慰められるも、皆をボロッボロにしてしまったことを悔しがる。
闘いに負けたのは、自分の命令ミスではなく、ヤンチャーのせいだと決めつける星史。遺跡は確かに大事だけれど、敵が目の前にいて攻撃を仕掛けるのなら、応戦しないわけにはいかないはず。その自分の判断は間違っていないだろう!?と、星史は皆に問う。
確かに、その考えは間違ってはないと思います。遺跡を守ったあげく、大元の地球が崩壊してしまったとかなったら‥‥笑い話にもならない。でも、「遺跡なんかにイチイチ構っていられない」という言葉は残念だった。
誰も答えないので、星史はダ・ガーンに問うが、ダ・ガーンは「私達は星史の命令に従って行動するのみ」だと言い、混乱をしているのならば、何が問題でこのような結果になってしまったのか、考えてみてはどうか?とアドバイスをしたのである。
・帰宅した星史は、ダ・ガーンの言葉の真意を感じ取ろうと必死に自問自答している。
イライラが続いているので、独り言が大きい(汗)。俺は一生懸命やっている!遊ぶ時間はない、宿題する時間もない、何度も死にかけている。地球を護るために必死に闘っているこの自分に、隊長の資格がないとどうして言えるのか!!
うんうん、頑張っているよね星史は。とっても頑張っているのに、その苦労を誰も労ってくれない。勇者の隊長が星史であることは秘密だから、誰にも相談することができないし、愚痴をこぼすことこともできない。下世話な話、給料がでるわけでもないしね(爆)。
ヒートアップしすぎて、ヒカルがはいっていきたことに気付かなかった星史。
考え事をしていて気づかなかったと星史が言うと、ヒカルはつい笑ってしまう(そういえば星史って、『日本一のお調子者』って言われてたっけ)。
・ヒカルが話を聞かせてくれというので、星史は例の隊長の事をどう思うかと聞いてみる。
するとヒカルは、わざわざ地球を守ってくれる隊長には感謝をするといい、むしろ感謝をするのが当然だと答える。
星史は、そうだろそうだろという感じで嬉しそうに聞いていたが、「でも遺跡が破壊されたのは悲しい。もう少し私達の事も考えてほしい」と不満をもらしたことにカチンときてしまう。
ヒカルは、実際に敵と闘っていたわけじゃないし、星史があの時置かれていた状況を何一つ知らないので悪気はないのだけど‥‥星史にしたら怒れてくるわよね。
それでも遺跡を護らないといけないのか。どうして遺跡がそんなに大事なのかと問う星史に、ヒカルは「歴史だから」と答える。「なぜ歴史が大事なのか」と再度問うと‥‥結局口ごもってしまうヒカルであった(爆)。
・ヒカルに「図書館に行って調べれば!?」と怒鳴られ、ムッとするも、言いつけどおり(?)図書館に行く星史は可愛くもある。
しかし、日ごろ本をあまり読まない星史にとって、本に何が書いてあるのか全く分からないようすである。
『遺跡は人類の遺産である』なんて言われてもピンとこず、頭を抱えて「だー!わかんね〜!!」って、図書館で騒ぐな。
図書館で騒がしい星史は、螢に見つかってしまう。今頃になって遺跡に関する本を読んでいる星史に向かって、「こんな大切なものを壊しても何も感じない人がいるのね」と、ヒカルよりも数倍キツイ一言を浴びせられてしまうが、さすがに螢には言い返せない星史である。
しかし‥‥『何も感じない』というのは言いすぎだが、嫌々読んでいる‥‥というか、読まされているのが分かったんでしょうね(^_^;)
・ビオレッツェに呼び出されたセブンチェンジャーだが、来た早々拘束されてしまう。
普通、前回あんな怪しい態度を取ったんだから、呼び出されたら少しは警戒しそうなもんだけど‥‥。
ビオレッツェに前回の事を聞かれて口ごもるセブンチェンジャー。答えられないのはスパイの証拠として拷問を受けることになってしまう。
日頃は横柄な態度をとっているのだから、聞かれも「知らん、何のことだ」とか言って白を切るのも良かったのでは?
ビオレッツェは、前々から敵としてはデキる奴だと思っていたが、「中にいるのが誰か教えてもらいましょうか」という一言はさすがでした。
普通は、人が乗ってるって思いつかないですものね。
・本を読んでいる最中にダ・ガーンから連絡が入った。セブンチェンジャーが拷問を受けている事を知らされた星史。そして‥‥日本海溝にプラネットエナジー解放点が発見されたというのだ!
星史は大慌てで変装して出発しようとしたが、もしものために螢を同行させる(螢に頼るんじゃない(笑))。
どうして自分を連れてきたのかと尋ねた螢に、星史は「自分が宇宙人だから地球の事をしらない。だから助けてほしい」と、低音ボイスでかっこよく決めるが、クジラを観た途端「でっけ〜クジラ!」と叫んでしまった。
・日本海溝をどんどん沈んでいく。深く潜れば潜るほど、進化をせずそのままの姿で生きている生物が棲んでいる。
※因みに、星史が潜っている日本海溝は、現実では水深8020mである。
陸に上がれば、地球上の移りゆく環境の変化に伴い、自ずと進化が繰り返されてゆく。
しかし海は──変わらない。深海は、太古から現在に至るまで、太陽が当たることもなく、海の成分も変わらない。進化は環境の変化によって起きるものだが、環境が変わらなければ進化をする必要もないので、その姿のまま形態を保ち続けているのである(太古から姿や形態が変わらない生物を「遺存種(残存種)」という)。
・日本海溝の中で、様々な生き物を目にした星史。
46億年前の大昔に地球が誕生して、そして海がうまれて、さらに生命がうまれ、ついに陸に上がり‥‥そして今、自分がここにいる。
「俺達が歴史なんだ」と星史は気づいたのである。
この、気の遠くなるような進化を繰り返して人間が誕生したという『進化論』だが、最近では「本当にそうだろうか?」と疑問視する学者もいる。
猿の共通祖先から人間が誕生したという説だが、いくらなんでも無理があるのでは──?というのだ。
この「無理があるのでは──?」と、進化論について疑問視しながらも宇宙にロマンを抱いている新聞記者と、実際の学者の対談話をまとめた本があるのですが、「宇宙はうまくできすぎていませんか?」と記者は投げかける。
さらに、学者たちは“生命のスープ”と綺麗な言い回しを用いて、人為的にそのスープの材料となるものを造りだしておきながら、「現代において、単細胞生物1つさえも造れないのはなぜですか?」とか‥‥鋭い突っ込みがあり、けっこう興味深かったです。
・張りつけにされているセブンチェンジャー。
ヤンチャーは不安でたまらないようすである。
セブンチェンジャーはすぐに殺そうとはしないビオレッツェたち。
今までの恨みを晴らすべく、いたぶっている。
ピンキーは、「この卑怯者の裏切り者の大嘘つき!」と罵声を浴びせるが‥‥お前が言うかね(^_^;)
アンタだって、1人3役で散々星史の学校に潜り込んでだましていたくせに。
・解放点を阻止するべく、セブンチェンジャーを助けながら奮闘する星史。
ビオレッツェは、そこまで躍起になってどうして地球を守りたいのかと不思議そう。
まぁ、彼曰く「宇宙のすべてはオーボス様のもの」だものね。
すると星史は、「地球は俺達の星だ!」と強く言い放った。偉い!偉いよ星史。ただ‥‥自分が地球人だってことが螢にバレちゃったけどね。
25話では、ビオレッツェにたじたじで、地球がなぜ大事なのか、どうして護ろうとするのか聞かれても、答えに困って「俺達み〜んなのものだから」と、手をバカみたいに広げて呆れられてたよね。
 それに、この子が一番成長したと思ったのは、ヤンチャーを助けることに迷いが無かったこと。
 ヤンチャーがあの時、どうして自分を罵倒したのか、どうして自分を責めたのか、なぜ隊長の資格が無いと叫んだのか、その理由のすべてを理解したからである。
 この瞬間から、星史はヤンチャーとケンカをすることは一切しなくなったんですよね。ヤンチャーを『隊長』として認め、共通の敵であるオーボスから地球を守るため、一緒に行動をするようになる。そして、ヤンチャーの言葉にじっくり耳を傾けることができるようになっていくのです。

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