・父親を救うことができなかった。今までトントン拍子に勝ち進み、なんだかんだいってなんとかなっていた矢先、初めての負けが『父を救えなかった』って、相当キツイ。 今までダ・ガーンから、「地球を守ってくれ」と言われても、「俺に任せなって〜♪」と軽く笑顔で受けていましたが、それがどれだけ大変で重い事で、自分の肩に乗っかっていたのか、今になって初めて分かったような感じです。 救えなかったのが一般人だったら、なんとかしなくっちゃ!ですが‥‥父親ですからねぇ。 ダ・ガーンが星史に対して申し訳ないと謝りますが、「静かにしてくれ」と言われてしまう。‥‥そうだよね。今、何を言われても慰めにならないよね。 ビックランダーは、力めば伝説の力が発動するのではないか?と思ってやたら気合を入れているが、それで発動したら苦労しないだろうよ。かえって、わざとらしいと星史に煙たがられるぞ(汗)。 ・美鈴さんは、オーストラリアのGDO本部で撮られた写真を見せられて、高杉大佐が連れ去られたこと、そして──星史がいなかったことを告げられる。 星史はいなかった。でも、写真に写っているのは『少年』であり、星史と背格好が同じである。ということは──。 なんとなく、ピンと来た美鈴さんです。そういえば最初、「あなた星史じゃないの?」と、と疑っていたりもしましたもんね。 ・緑が浜に戻ってきた星史たち。皆が「よく無事で帰ってきた」と抱きしめる中、星史の帰宅を抱きしめてくれる人は誰もいません。ここでお母さんが抱きしめてくれたら、また違ったのかなぁ?この悲しさをぶつけたり、悲しみを共有してくれる人がいないのは寂しいです。 ヒカルは星史に申し訳なくて、母親の胸に抱かれても、素直に喜んだりできないでいる。優しい子ですね。 ・ビオレッツェが、オーボスが自分に声をかけてくれないことが不満らしく、イライラしながら廊下を歩いていたところ、醜く年老いたピンキーとぶつかってしまった。 ピンキーはオーボスに若さをもらって生きてきた。ん?どういうこと?この姿が本来の姿ってことでしょうか。よくわからん。 ビオレッツェは、オーボスに聞きたいことがある為、ついでにピンキーの事も頼んであげると言ってくれた。 う〜ん、ピンキーのことが好きなのねぇビオレッツェは。普通、ただの部下が上司相手にそんなこと言えないでしょう。あんまりオーボスに良く思われてない身でそんな事言えば、最悪、怒りの矛先がビオレッツェにも向いてしまう可能性だってあるのですから。 ・すっかり自暴自棄になってしまった星史は、ダイレクターを投げ棄てて隊長の役目を放棄してしまう。 父を守ることができない不甲斐ない自分が、地球を守るなんてできっこない。はじめから無理な話であり、地球を守る勇者だの伝説の力だの、色々言われたところで意味がない。どうして自分を隊長に選んだんだ!と、怒り出した。 地球が自分を隊長に選ばなければ、そもそもこんな事態にはならなかった。父を失うこともなかった。自分が悪いけど、自分を隊長に選んだ地球だって悪い。もう頭がグチャグチャで、どこに怒りをぶつけていいか分からなくなってしまい、全てを放棄してしまった星史。 ヒカルは、てっきり優しく慰めてくれるかと思いきや──まさかの残酷な平手打ち! 今になって逃げ出すのは卑怯だと星史を責めるが、この状況ではさすがに‥‥受け止められないだろうよ。 平手打ちしてから、「今まで頑張ってきた」「今まであなたを信じてきた」とフォローしたとこころで、すさんだ星史の心は晴れないだろう。 ですが現実問題、ここで星史が逃げ出したとしても、オーボスが地球を狙っている事実に変わりない。つまり‥‥隊長の責任を放棄したところで、誰かが代わりを務めてくれるわけでもない為、なんの解決にもなっていない。事態はもっと悪くなるのは目に見えている。しかし‥‥いまの星史に、そこまで先の事を考える余裕はないのであった。 ・いつも明るく元気な星史が、こんなにも落ち込んでいる。 この2人は幼馴染という設定なので、気心も互いの性格も知っているだろうから、どれだけ星史の心が傷ついているかはわかるのだろう。 でも、闘うことを放棄した理由が、オーボスと戦うことが怖くなったから──ではなく、戦ったあげくに『誰かを失うこと』が怖くなったからだと、ヤンチャーは言います。彼は両親を失っているので、今の星史の心は、ヒカル以上によくわかるでしょう。 以前、美鈴が人質になった際、いつもヘラヘラと戦う星史を諭す場面がありましたが、精神的にはヤンチャーは星史よりはるかに大人だと思う。 ・ピンキーが独断で攻撃をしかけてきたが、命令を与えられていないダ・ガーンたちは動けない(この状況でも、命令が無いとダメなのか‥‥) ヤンチャーとセブンチェンジャーは迎撃に向かい、星史がやってくるまで持ちこたえようとする。 星史のことを完全に認めたわけではないが、地球がわざわざ指名して選んだのだから、絶対に意味はあるのだと断言するヤンチャー。同じ隊長の使命を受けた者同士、信じているよね。 ・家に帰ると、美鈴がカレーを作っていた。 今さらだけど「母親に目覚めちゃった」と笑い、手伝おうとする星史に対して「子どもはそんなことはしなくていい」と返した。 今まで仕事仕事で、星史の側にいてやれなかったことと、星史が抱えていた悩みに気づかなかった事を詫び、自分を『ダメな母親』と責めて泣き始めた。 この瞬間に星史は、母が、自分の正体(ロボットの隊長であること)を知ったことで、もう母に対し、なにも隠すことなく──独りで抱え込まななくていいと悟り、今まで悩んでいた全てを吐き出すのである(ずっと身近にいながら正体を隠すしかなかった。それでなくとも、悩みがあれば聞いてほしい年頃だものね)。 美鈴は、父を救うことができず、隊長の使命を放棄した星史を責めることはせず、今までよく耐えて頑張ったと‥‥逆に星史を労わるような言葉を返してくれる。 ひとしきり泣き、自分が抱えている苦しみや怖さを全部ぶちまけ、すこしスッキリした星史である。自分だけが怖いんじゃない。星史が怖いように、母だって怖い。ダ・ガーンが居ない分、星史以上に怖いと思う。それでも自分を守ろうとしてくれている──そんな母の気持ちに、胸がいっぱいになったのだろうな。 ・玄関を出ると、そこにはヒカルがいて、ダイレクターを持っていた。 皆、星史を信じていた。 それに応えるかのように、星史は皆の目の前で変身し、ダ・ガーンを呼びます。 パトカーの状態でやってくるダ・ガーン。‥‥ん?隊長の正体は星史と分かったけど、根元さん所有のパトカーの正体がダ・ガーンという事実は、まだ秘密なのでは? |