44話 オーボス星の決戦
・ついに根本さんにダ・ガーンの正体がばれる‥‥というか、自分からバラしてしまう。
 最初のうちは、バレないよう極秘裏に活動していたが、オーボスとの最終決戦を前にして、既に両親・ヒカル・蛍が『星史=隊長』であることを知っている。敵(だった)側も知っている。となると、いずれは根本さんの耳にも入るだろうから、今さら隠す理由が無い──という意味なのでしょうね。
 「根本さんに挨拶をして出てこい」と命令する星史に、本当にバカ丁寧に根本さんに自身を紹介するダ・ガーン。
「いつも勝手に出かけてしまいすいません」との台詞に、勝手にパトカーが消えてしまう‥‥その理由が今やっとわかったのである。
 「星史君に教えてあげよう。きっとビックリするぞ〜」と得意顔であるが、何も知らなかったのは根本さんだけである。
 ここで、ダ・ガーンと星史のデュエットソングが流れるのは感動です。
 最終決戦に向けて勇者ロボ達が歌う曲が流れるのは、2代目のファイバード以降恒例となっていきます。
 ※2代目では、宇宙警備隊ロボ面々の曲と、火鳥さんがオカリナで吹いた『故郷の星』のアレンジバージョンも流れまして、これがまたいい曲です。
・ビオレッツェがとてもかっこよく思える回。
初登場の時にブッチョを撃ち、星史を欺いてプラネットエナジーをヒットさせるなど、オーボスの部下としては頭脳派で『できるヤツ』だと思う。
いつもピシッと紫色のスーツを着こなし、とても紳士的に思えたりもしました(2代目ドライアスの部下もスーツだったけど、『着こなす』という意味では、ビオレッツェの方が素敵)。
愛するピンキーのためなら、自分が最も尊敬(していた)し、忠誠までも誓ったオーボスを脅すことさえ出来てしまう──敵ながらかっこよすぎる。
ビオレッツェが星史の事を『あの子たち』と言えるようになったのは、オーボスの姿を見たからなのかなぁ?
・変身能力を解いたピンキーは、ビオレッツェを置きざりにして独りで逃げ出すことも出来たのに、真っ先に星史に助けを求めてきた。
星史も、ピンキーを敵だと知ってはいるが、「ビオレッツェが貴方たちを助けた」と言われた時、証拠なんか何もないのに助けに向かってくれた。
同じ宇宙に生きる者同士、敵とか味方とか関係ない。助け合わなきゃ。
・ピンキーとビオレッツェは星史に助け出されたが、共に力を合わせてオーボスを倒そうとは思っていない。
確かに、この二人が星史と力を合わせてオーボスに戦いを挑むメリットって、今のところ無いんですよね(汗)。
まぁぶっちゃけ、地球がどうなろうと、二人はどうでも良いだろうしなぁ。
ヤンチャーが地球の事をどう思っているのかは分からないですが、オーボスに直接私怨がありますからね。
共に戦えないし、戦わないけれど、勝利を祈っている。
ヤンチャーは「一緒に戦え」と怒るが、高杉大佐は、「彼らには彼らの生き方がある」と二人の決めた事を尊重し、星史も「祈ってくれるだけで充分」と、笑顔で送り出した。
ようやく、星史らしさが戻ってきました。
悪く言えば『行き当たりばったり』。作戦なしにオーボス星に乗り込んでいく。
星史は、オーボスの恐ろしさを身をもって体感していないため、勢いで乗り込んで行きましたが、ヤンチャーはオーボスによって星を滅ぼされており、根本的に『恐怖』の質が違うのだろう。
・オーボスは、まるで炎のような姿をしており、初期OPに登場した姿まんま。
これが本当の姿なのか、それとも実体があるのか、よくわからない存在。わからないから怖い。敵の描写としては上手いと思います。
星史はオーボスに怯むことはない。『怖いもの知らず』という言葉がぴったり当てはまる。
部下を排除して排除して、オーボスは『使い捨て』と吐き捨てる。
自分の思い通りに事が運ぶよう部下を使い、それが上手くいかなかったら切り捨てる。
レッドロンのシアンも、ただの『駒』にすぎず、誰も信用せず、信頼せず、自分の望みをかなえるためだけに生きている。
星史は、味方がいて、協力してくれる仲間がいて、勝利を祈ってくれる人がいる。
それに比べて、オーボスはとても孤独な存在です。

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