36話 吸血の街

・古い洋館。ケンタは今、吸血鬼に追われている。逃げるのも空しく、吸血鬼の牙はケンタの首筋に──!
「うわぁ!」と悲鳴を挙げると、そこは飛行機の中。よっぽど怖かったのか、冷や汗を掻き肩でぜいぜい息をしているケンタに、「どうしたの?」と美子先生。火鳥さんはのほほ〜ん顔。博士は「どうせケンタの事だから吸血鬼の夢でも見たんだろう」と笑っている。‥‥どうして誰も起こしてあげない!?
 ドイツで吸血鬼が現れたとの一報を聞き、ケンタ達はドイツに向かっている。
 ドイツの事件ならドイツに任せておければいいのに、どうして博士達がわざわざ?実はハルカの両親がドイツにいるのである。
 そういえば25話で、ハルカがドイツにいる両親に国際電話をかけようとしてましたね。
・空港に着陸。久しぶりに両親と再会したハルカは嬉しそうに両親のもとに飛んでいく。
 感動の再会に浸っていたが、なにやら後ろで揉めているのに気づいたハルカ。振り向くと、全身を十字架とニンニクでまとった博士が──。
 空港のチェックに引っ掛かってしまっていた(出発時にも厳重なチェックがあるはずなんだけど‥‥)
・タスクは、孫のハルカに迷惑をかけ、身の回りの面倒をやってもらっているなんて恥ずかしいという。確かに、炊事・洗濯・家計の管理と、全てハルカがやってるんですものね。博士は定年して時間が有り余る生活をしているのに家事を一切せず、手伝うこともせず、毎日学校に通って忙しいハルカが全てを引き受けているなんて、通常ではあり得ない。いくら自分の孫で家事を好んでこなしているとはいえ、依存しすぎ。あんまりだと思ってしまうから、タスクが怒るのも無理はない。
 ヒートアップしてきた2人を止めたのは、のほほ〜んとした火鳥さん。ケンカはよくないと仲裁する。
 ナツエは、「あの方が火鳥さんね」と納得。ハルカはドイツの両親宛に手紙を時々出しているらしいが、どうやら火鳥さんのことについても報告しているらしい。
 ハルカにとっての『憧れの君』。さぞ美化されているんだろうなぁ。火鳥さんがどんなボケかましても、ハルカには『可愛い』と映るのだと思う。
・ハルカの両親宅に向かう道中、車内で一言も口を利かない博士と息子のタスク。
 ケンタはピリピリした空気を感じ取り、「じいちゃんとおじさん、一言も口を利いてないぜ」とハルカに耳打ちすると、ハルカは2人を「大人げない」とバッサリ。
 あまりにも沈黙すぎる重苦しい空気をうち破ったのは、美子先生。
「吸血鬼っているのかしら〜?」とやんわりと話を振ってみたところ、タスクは「デマですよデマ!」。博士は「頭が固い」と言って反論しあう。寝た子を起こしてしまった美子先生は、だんまりである。
・ハルカ両親宅に到着。タスクは突然、ハルカをドイツに引き取ることを提案。
 そもそも、どうしてハルカは両親から離れて1人、日本で祖父と暮らしているのか?それは、「日本の教育を受けさせたいから」という理由からだった。
 タスクは、「そういう理由で日本に行かせたが、その決断は誤りだった」と言う。
 「お父さんのような非常識な人と一緒にいると、ハルカに悪影響を及ぼします」とタスク。実の親に向かって酷い言い様です。これにはさすがの博士もブチ切れ。もはや取っ組み合いのケンカは免れないかも‥‥と思っていると、今度はナツエが仲裁。「どちらと暮らしたいか、ハルカに決めさせましょう」と、小学生にとってあまりにも酷な提案を持ちかける。
 博士とタスクは、ハルカに「どちらと暮らしたい?」と詰め寄るが、そんな重要な事をすぐに決められるわけがない。
 ハルカが悩んでいると、ケンタが「でも、火鳥兄ちゃんと別れたくないって」とウルウルしながらハルカの真似(?)をすると、ハルカはブチ切れて枕を投げつける。
 大人しかったはずのハルカの凶暴さにタスクはビックリ。ハルカはこんな子じゃなかった!やっぱり博士の悪い影響だ〜と決めつけた。
 火鳥さんは、どうして2人はこんなに仲が悪いのかを美子さんに尋ねると、『ケンカするほど仲が悪いかもね』と笑っている。確かに、ケンカってある程度仲が良くないとできませんからね。
・女性の悲鳴が聞こえて火鳥さんが通りに飛び出すと、女性の首筋を吸血鬼が噛んでいた。あまりの吸血鬼のベタな格好である(汗)。
 女性を美子先生に託し、火鳥さんは吸血鬼を追っていった。
 美子先生が女性を調べると、首筋に何やら針のような物が埋め込まれており、これによって噛まれた人間はゾンビ化し(死んでないが)操られてしまう。
・ドイツの町が松明を掲げたゾンビで溢れかえる。天野邸の窓を破って吸血鬼が飛び込み、ハルカが襲われそうになるが、タスクが庇って噛まれてしまう。 あっというまにタスクはゾンビ化し、ハルカの首を絞めだした。
 ケンタがフレイムショットを放ち、吸血鬼=ジャンゴメカということが判明。しかし、ジャンゴメカを倒してもゾンビ化は続いているのでさあ大変だ!
 妻ナツエの声は届かない。美子先生は、「相手は子供」というおかしな理由で(首絞められてんですよ!止めるのに、大人も子供も関係ない)止めるが力及ばず吹き飛ばされてしまう。
・こうなったら火鳥さんに全てを託すしかない。ゾンビ化した人たちは、火鳥さんを仲間にするため(?)に火鳥さんの首筋に食らいついたら歯が折れた(笑)。
「この俺は、お前なんかの歯が立つ相手じゃねえぜ!」と、ナイス突っ込み。そういえば以前も、壁を両手で支えながら『今は手が離せない』とか言ってましたね。
・空港。「どちらと暮らすかハルカが決めなさい」というタスクの言葉に、ハルカが出した答えは──「博士と住む」。
 「私がいないとおじいちゃんダメなんだもん」だって。ハルカ、それでいいのか?
 すると博士は、「孫になんぞ心配してもらわんでいいわい!」とハルカをドイツに残らせる!と子供みたいに拗ねだした。
 タスクは、今更何を言うのだと呆れてしまっている。
 その光景を眺めていたケンタは、『似た者同士』だと笑っている。火鳥さんは、「ケンカするほど仲が良い。人間は面白い」と笑顔。
 ハルカ‥‥貴方の生活は異常だってこと、早く気づいてね。

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