39話 勇太郎の授業参観

・明日はケンタとハルカが通う小学校の授業参観日。
ケンタは母親が来てくれる。ハルカの両親はドイツなので、祖父の天野博士が行く予定なのだが、博士はすっかり忘れていたらしい。
孫の学校行事ぐらい、覚えてやりなよ。家事の全てを小学生のハルカに丸投げで、自分は一切手伝わないんだから。
今の時代だと、ハルカはヤングケアラーですね。
・天野博士が授業参観に出ない理由を探るケンタとハルカ。
行くのを忘れた──のではなく、忘れたことにして学校に行くのを回避しようとしているのでは?と推測。
なおも押し問答を続けるケンタと天野博士の会話を聞いていた火鳥さんは、「博士のような天才科学者でも小学校から勉強をやり直すんですか?」とボケた。
このセリフ、無知とはいえ‥‥。火鳥さんじゃなかったら、かなり人をバカにしたような発言である(;^ω^)
・『授業参観』を理解した火鳥さん。クラスメイトが誰かしら親が見に来るのにも関わらず、ハルカだけ誰も来ない──(酷)。それは「寂しいよねぇ」と同調し、「じゃぁ俺が行ってもいい?」とワクワク顔。
本来は赤の他人であり、肉親ではないが(人間でもないが)、『保護者』としてなら行っても不思議ではないと天野博士。
火鳥が行ってくれれば万事解決。『世界平和のために学校を知ることも大事』というよく分からない理由を付けて推奨した。
ハルカは、祖父より火鳥さんが来てくれる方が嬉しいらしく、火鳥さんにいいところを見せるため、予習に励むのであった。
・翌朝、研究所に美子先生が出勤してきた(住み込みじゃないのね)。
火鳥さんは「学校に行くんです」とランドセルを背負っている。授業参観の意味分かってるのかなぁ?
小学校に到着しても、火鳥さんのボケは止まらない。廊下で見知らぬ親御さんにケンタとハルカの紹介をし、1年の教室で児童と一緒に算数の問題を受け、体育の跳び箱を華麗に飛んでみせた。
ほのぼのしまくっているというか、なんというか。
当時のアニメディアでは、25話付近から火鳥さんの人気が上がり始め、女性の母性本能をくすぐると好印象に。
そしてこの頃から、視聴者からクレームを受けた為に禁じられていた、火鳥と言えば‥‥と序盤早々封印された『時代劇口調』が戻り始めるのである。
初代は、完全に幼児向けを貫き通していた。今作も幼児層をメインターゲットにしていたものの、火鳥さん目当ての女性層の視聴者が増えたことはスタッフとしては予定外だったらしい。
後半は、父性の芽生え、美子先生との絡みなど、女性層を意識した作りになっていく。
それが結果的に成功し、3代目は主役となる子どもの年齢を更に高く設定。女性層を意識したつくりになっていく。
実は今作では、小学生ではあるものの、女性”である理由かは不明だが、ハルカが家事全てを取り仕切り、祖父もケンタも一切手伝わない描写に女性の一部の視聴者から不快感があったらしい(実際、確かに私も少し不快だった)。
更に、家計のやりくりすらも全てハルカに丸投げして任せ、『着たきり』のハルカを哀れに思った視聴者の複数名から、「ハルカに服を買ってやって」とサンライズにお金が届けられたことがある(爆)。
その為3代目は、『男=仕事/女=家事』の固定観念から外れた、『掃除・家事・炊事のすべてが出来る男』星史が誕生することになる。
・校内を迷子になっていた火鳥さん。星を見ながら飛べる火鳥さんが、こんな狭い所で道に迷っている様は実に笑える。
各クラスを引っ掻き回した反省からか、見つけた教室が4年3組かに確証が持てず、教室をそ〜っと覗いて観察。
どうやら、ケンタとハルカが居たら、教室に入ることに決めたらしい、
すると、困っている所を校長に助けられ、教室まで連れてってもらえることになった。
パッと見は『不審者』ではあるが、火鳥さんの人柄だろうか、悪い人には見えないんだろうな。
・校長と歩きながら、ハルカの話題になり、小さいころから両親と離れて暮らしているハルカは寂しいはずと話す校長に対し、「そうは見えない」と返す火鳥さん。
う〜ん、そうは見えない“フリ”をしているのよ。人間の奥底にある感情を理解するには、火鳥さんにはまだまだ時間がかかりそうだ。
そういやドラマでも、役者の言葉をそのまま受け取ってしまい、言葉の“真意”に気づかず苦労していた描写があった。
時代劇はシンプルな勧善懲悪でサッパリしているから、分かりやすいのかな?
逆にサスペンスドラマや『どんでん返し』の類は苦手そうだ‥‥。
・4年3組の教室では、理科の実験中で、ケンタとハルカは同じクラスだった。
この作品、意外と『学校』が舞台になる話って少ないんですよね。
初代のコウタも、3代目の星史も、いつでも学校が舞台。各話に関わるキーワードも学校。更には、学校に敵が襲来してくることだってある。
理由は‥‥自宅が“普通”過ぎて、話の舞台になりようがないから。
しかし2代目は、自宅が“天野平和科学研究所”。火鳥さんもエースバロンもいるので、必然的に家が『舞台』になり、もはや『学校』が舞台である必要はない。
その為、教師の描写はほぼ皆無。クラスメイトに至っては、ケンタとまともに絡んだのは自宅が火事になったアキラだけである。
・理科の実験で『人体のはたらき』についてのビデオを見ることに。
見ている途中で目玉の映像が映り、謎の怪電波が発生。それを観た児童全員が硬直してしまう事態に──。
‥‥これって、生放送なら電波ジャックすれば不可能ではないが、録画したビデオを再生しても目玉が出るのだろうか?
・Dr.ジャンゴは日本政府に対し、全国の小学生を人質に取っていることを宣言したが‥‥全国の小学生全員が、ビデオ見ていたなんて考えられない。現に、体育の時間だったクラスもあったじゃないか!
運良く(?)学校に行っていた火鳥さんは、硬直したケンタとハルカを発見。
美子先生と天野博士も合流し、硬直の原因を探るのである。
ところで、美子先生って病院勤務なのかな?
仕事が忙しくて自炊ができないとカップ麺と冷凍食品ばかり買っていたけど、その割には一日中、天野平和化学研究所にいて暇な気がする。
・3時間以内に1万トンの金塊を持ってこなければ子どもの命は保障しないといわれ、閣僚会議の結果、Dr.ジャンゴの要求をのむことになった。
1万トンは無理だが、今国が所有している分だけでも渡そうとし、この作戦の責任者となったのは、佐津田刑事。
わっせわっせとトラックに金塊を運ぶ道中、金塊を早く欲しかったDr.ジャンゴがしびれをきらしてやってきて‥‥金塊を運ぶトラックが1台しかないことを不思議に思ったのか、「本当に3万トン入っているのか?」と問いただした。
佐津田刑事は、「今すぐ用意できるのは1万トンしかない。あと三日待ってくれれば残りの2トンを用意できるから、これで子ども達の命を助けてくれ」と土下座して謝るが、Dr.ジャンゴは許してくれなかった。
既に怒っている状態で、アタッシュケースの裏に発信機を取り付けられていたことがわかり‥‥(なんでわざわざバレる位置に付けるかね)怒りが頂点に達し、佐津田刑事を崖下に投げ飛ばしたのである。
・佐津田刑事がいる=ガードスターがいる。ということで、ガードスターが登場!
たった一人でどうやってDr.ジャンゴのメカと戦うか‥‥だが、Dr.ジャンゴを倒してしまうとメカから発信される怪音波も消えないため、結局何もできずに突っ立っているしかなかった(汗)。
・教室にいた子ども達の痙攣が治り、それはつまり、ファイバードたちが勝ったことを意味している。
父兄がいきなり教室にいることに驚く子ども達。
ケンタは母親からハグをされ、ハルカの元には博士と美子先生が──。
火鳥さんは、忙しすぎて終業チャイムぎりぎりに駆け込むものの、ハルカに「アウト!」と笑われてしまう。
リベンジマッチで次の授業参観に挑む火鳥さんだが、ハルカは今度は美子先生に頼むという。
美子先生は、「ハルカちゃんが良いなら」と快諾するが、美子先生だって仕事が忙しいのでは?
いつも暇そうにしているが、どこで働いているのだろうか?開業医‥‥の割には患者来ないし、勤務医‥‥にしては仕事に行かない。
結論、子供向け番組に突っ込んではいけない。


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