42話  パパになった勇太郎

・財閥家が、宇宙警備隊のために3億円もの資金援助を申し出てくれた。
世間では『強欲』『金の亡者』と呼ばれている人らしいが、地球を守る宇宙警備隊の日々の働きに感銘を覚え、世界平和に貢献できれば──との思いからの援助だそうだ。
ただ、わざわざニュース内で取り上げてもらい、「私はこんなことをやっている」という自慢げに語る口調から、おおかた本音は“売名行為”だろう。
・3億円援助の申し出をTVで見ていたケンタ達。
この財閥は有名らしく、当然博士も知っていた。彼のやっていることが売名行為だということも、薄々は感じていることだろうな。
しかし‥‥貰えるものは貰っておいた方が良いのである(笑)。
TV局はさっそくファイバードに連絡を取る為、「ファイバードについて知っていることがあれば、ぜひ東西テレビまで電話するように!」とモモコは熱くTVでお願いする。
 多分、私情も入っているな。申し出があったらキャスターの特権を使って本人とご対面できますしね。
・博士はさっそく火鳥さんに電話をするよう命じ、火鳥さんは言われるままに電話。
しかし、宇宙警備隊は秘密裏に活動しているのであって──。
「本人です」と答えるも、住所も電話番号も教えられない。しびれをきらしたオペレーターが「あなたのお名前は?」と聞くと「火鳥勇太郎」と名乗ったので、いたずら電話だと誤解されて切られてしまったのである(爆)。
・財閥家には一人娘の薫子がおり、今日は誕生日である。
しかし、父親は(さっきTVに出ていた人)仕事人間で、日ごろからあまり構ってあげてないようだ。
彼女の世話には執事をあてがっており、面倒はほぼ任せきりかもしれない。
「今日は誕生日で、一緒に遊園地に行くって約束したのに」と怒る薫子。
う〜ん、あの父親は遊園地に行って遊ぶようなタイプじゃないな。っていうか、今日が娘の誕生日だってことも忘れてるんじゃないか?
・火鳥さんとケンタは、ハルカに頼まれて買い出しにでかけていた。
博士曰く、これから3億円が手に入るというのに、当のハルカは変わらず節約志向であった。
前が見えないほどの買い物をして帰る途中、ドライアスから逃れてきた薫子と衝突し、買い物袋をぶちまけてしまう。
床に落ちた商品をせっせと買い物袋にしまっていた火鳥さんだが、ドライアスのゾルが薫子を追っていることを知り、その場で乱闘騒ぎ。アーケードの窓をぶちやぶって突き落とした。下に人がいたらどうするんだろう‥‥(毎度、人命の為には建物は二の次の火鳥さんである)。
・どこからともなく、騒ぎを聞きつけた佐津田刑事がやってきた。
 火鳥さんを見つけるなり大騒ぎして、この騒動を巻き起こした犯人だと大声で指さして名指しする。
 火鳥さんが居る所、何処かしら建物に損害が生じており、今回もアーケードの窓がほぼ大破している!
 第一発見者がほぼ毎回佐津田刑事であり、その都度後処理を彼がしているのであれば、少し気の毒ではある。
 ケンタなんか、自分達が窓を大破させたにも関わらず、「これ放っておいていいの?」と丸投げ‥‥しており、佐津田刑事にしたら、文句の一つや二つは言いたいだろう。怒りたい気持ちもわかるなぁ(;^ω^)。
・勝手にパパ扱いされた火鳥さんは、そのまま薫子を研究所まで連れていく(れっきとした未成年者誘拐である)
薫子は研究所でハルカに遭遇。自分と同い年くらいのハルカが火鳥さんのそばにいることを知り嫉妬したのか、わざとハルカを怒らせるようなことを口走ってしまう。
「この人お手伝いさん?」と、遠回しに、火鳥さんとハルカの間に『父子的な感情が無い』ことを確かめているように見える(要は、ハルカが火鳥さんに可愛がられていて欲しくないのである)。
 失礼な事を言われて怒ったハルカだが、それ以上に怒ったのは、買ってきた食料品がグッチャグチャになったことである。
 確か卵もあったから‥‥でろでろの状態だろうな(爆)。
 ネギをボキッと真っ二つに折り、相当怒っている。本当は弁償してほしいぐらいだろう。しかし、ハルカの意見に同意してくれる者は誰もおらず、ケンタは「悪い子には見えない」と薫子を庇ってしまい‥‥ハルカはブチ切れてしまった。
・薫子が、秘密のエレベーターを使って地下に降りていき、そこでエースバロンに出会った。
 地球人には秘密のはずだが、子どもにはアッサリ正体を現す宇宙警備隊(ぶっちゃけ、子どもの方が口軽いぞ)
 「俺、この子のパパになったんだ」と嬉しそうな火鳥さん。そんな簡単になれるものなのか?と問うエースバロンに薫子は「強くて優しくてかっこよくて、遊園地に連れて行ってくれればなれる」と答えた。‥‥多分、今の父親が真逆なタイプなんだろうな(涙)。
 火鳥さんは「じゃぁ今から行こうか?」と、遊園地へ──。
・薫子の顔に見覚えがある博士は倉庫にこもって調べもの。
 そういやこの時代、携帯電話はおろか、まだインターネットさえ無かったもんなぁ。Windowsも出てないから調べよう無いよ(汗)。今だと検索すればパパっと出てくるのにね。
 偶然見つけた雑誌内のコーナー『日本の社長特集』で、薫子が宇宙警備隊へ3億円を寄付しようとしてくれていた財閥家の令嬢だと知った博士。3億円寄付を貰おうにも、こちらから連絡先を伝えられず困っていたが、これで万事解決。薫子が一言「パパ、この人たちが宇宙警備隊よ」と言ってくれれば、3億円をゲットできるのである(爆)。
 一方、佐津田刑事も薫子の正体に気づいていた。
 う〜ん、小さい子は営利誘拐に利用される恐れがあるから、財閥家はあまり家族の写真を載せない方が良い。
・薫子と一緒に遊園地に来た火鳥さん。入場券や搭乗券は博士のお金かな(-_-;)?
最初は何が楽しいのかわからんかったジェットコースターも、今回は笑顔で乗っている火鳥さん。
楽しいはずなのに、家族連れの客を見て泣き出してしまう薫子。パパパパと火鳥さんに懐いてはいるものの、本当のパパじゃないことを知っている。そうだよね、本当はパパと一緒に来たかったよね‥‥。
今日は誕生日なのに、本当のパパはそれを忘れ、いつも仕事とお金の事しか考えてないという。
火鳥さんはそんなわけないと言ってくれる。火鳥さんも、自分が本当のパパにはなれないとは分かっているようだ。
・ドライアスとの戦闘が終わり、解放されて安心した薫子が抱きついたのは──火鳥さんだった(これ、キッツいだろうな‥‥)。
 火鳥さんは「本当のパパはお金より大事なものを知ってるよ」と、本当パパの元に行っておいでと促した。
 偽りのパパは終わり。薫子は本当のパパの元に駆け寄って抱きついたのである。
 この『お金より大事なものがある』というのを言ってしまったため、3億円の話が無くなってしまう。
 でも‥‥邸宅を立て直すお金も必要だから、今回は3億円は貰わないほうがいいような気がする。


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