48話 さらば宇宙警備隊

・ドライアスとの決戦。この戦いで全てが終わるぐらいの非常事態。
しかし世間ではそうでもないようで、研究所にマスコミが押し掛けてはいるが、なんとも楽観的で、記事のネタとしか思われていないようだ。
記者に「どうして今まで、この研究所の存在を隠していたんですか?」と聞かれてしどろもどろ。
隠していたのは事実だけど、近隣住民も、ジェット機が飛んでシャトルが打ち上がってるのに、気づかんかったんかい?
ケンタとハルカは徒歩で通学している。子どもの徒歩圏内に学校があるのだから‥‥轟音が響くだろうし、むしろ気づないほうがおかしい(;^ω^)。
・ヒルマン教授は、天野博士に「どうして警備隊の存在を秘密にしていたのか?」と聞かれます。
そういやキャシー救出の際、ヒルマン教授に口止めしていたっけ。
宇宙警備隊の活動に共感し、その活動に協力する人が多くなれば、博士の負担も軽減する。
世界平和に貢献しているのだから、称賛されるだろう。
ノーベル賞が欲しくてたまらず、呼ばれていないのに行くぐらいだから(汗)、褒めてもらいたいなら公にするべきである。
褒めてもらいたいが、顔が知れてはまずい。‥‥なんか疚しいことがあるのだろうとは思っていた。
最終回になって、ついに明らかに──!
実は、土地を相続した際、税金を払っていなかったのである。いわゆる『脱税』である。
「脱税で税務署に金を払うより、その金を世界平和に使ったほうが人々の役に立つ」という博士の論法だが、『世界平和に貢献しているなら大目に見ろ』なんて理由、許されるか!
「税金は期日までに払うように」とビシッと忠告した佐津田刑事が正しい。
・苦戦するグレートファイバード。
これでやられてしまうのか──と思ったとき、カタルシス砲が間に合った!
グレートファイバードはみるみる力を取り戻していく。一方シュラ&ゾルにとっては“毒”みたいなエネルギーのため、悲鳴を上げて苦しむのである。
しかし‥‥このカタルシス砲の持続時間は短く、せっかく潤いが保たれていたグレートファイバードは、あっという間に傷ついていくのである。
これって、要はあのオカリナのメロディが元なのだから、火鳥さんが口笛でも吹きながら進めば良いじゃない?
・捕らわれのサンダーバロンとスーパーガーディオンを発見(そういや捕まってたんだっけ)。
 触手を切り裂いて助け出すと、それを待っていたかのようにドライアスが現れた。どうせ救出されたって戦力にならないから、助けたければ助ければぁ?って感じだ。
 仲間を救い出せればこっちのもの──とグレートファイバードはドライアスに攻撃するが、暗黒フィールド内ではドライアスに攻撃しても無意味のようだ。
・カタルシス砲の第二射スタンバイが終わり、発射!しかし、生存していたゾルとシュラに破壊されてしまう(そういやあんた達もいたわね)。
ケンタに銃口を向けて発砲しようとした瞬間、サンダーカノンを撃たれたゾルとシュラの体からスポンッとエネルギー体が飛び出し、スーパーガーディオンがネットで捕らえることに成功。そんなに簡単にポンッと出ちゃうものなのか?
・サンダーバロンとスーパーガーディオンは、博士の了解無しに、カタルシス砲を奪い取り戦いの場に持っていこうとする(あんたが作ったもんじゃないだろ!)。
彼らに言わせれば、遠い地球から放つより至近距離で放った方が威力はあるし、地球内のプラスエネルギーを集積して撃つより自分達のエネルギーを集めて撃った方が更に威力があるという。
ゾルに撃たれた今、カタルシス砲は地球に漂うプラスエネルギーを集積できない。じゃぁどうする?だったら、自分たちのプラスエネルギーをカタルシス砲に直結して送り込めばいいじゃないか。
集めることができないなら送り込めばいい。『押してもダメなら引いてみな』の考えである。
確かに言われてみればそうだが、博士は「そんなことをしたら──!」と反対する。自分の体内のプラスエネルギーを移して撃つってことは、最悪自分のエネルギーは尽きて死んじゃうかもよ。
しかし、地球存亡の危機において、もはや自分の生死なんかどうでもよいという感じだ。ドライアスを倒せるなら、命かけてやるって覚悟が垣間見える。
カタルシス砲は幸い、ちょうど手になじむ大きさで持ちやすい(笑)ということで、持って行ってしまった。
・カタルシス砲をもってファイバードの元にやってきたスーパーガーディオンとサンダーバロン。
自分たちのエネルギーを直結させ、いざ発射!
反撃に一瞬怯んだドライアスだったが、カタルシス砲もろともスーパーガーディオンとサンダーバロンは綺麗に真っ二つに割かれてしまう。
子ども心にショッキングな映像だったのを覚えている。
間近でその光景を目にした火鳥さんも立ち尽くしてしまうが、彼の体に魂のようなエネルギーが入り込んだ。
仲間を雑魚呼ばわりされ、体を引き裂かれ、グレートファイバードの怒りは頂点へ。
マイナスエネルギーによって、圧倒的に自分が有利であるにもかかわらず、向かってくるグレートファイバードに圧され、さすがのドライアスも退いてしまう。
・炎の鳥と化し、ドライアスに攻撃するグレートファイバード。
体を砕かれ破れたドライアスだが、死ぬ直前まで自身の強さを疑わず、「私は敗れるはずはない」と断言して死んでいった。
ただ、初代同様、2代目の敵も凄まじい最期だったものの、子ども番組のために生々しい『死』という表現は使わず、『消滅』と表現している。
・乾いた大地に、破壊されたスーパーガーディオンとサンダーバロン。その中央の岩場に、壊れた金色の機械が──。
火鳥さんの『体』だったアンドロイドである。
ハルカは美子先生に抱きついて号泣し、つられたケンタも泣き出してしまった。
しかし、あっけらかんとした火鳥さんの声が聞こえ、あたりをキョロキョロすると、光る球体が近づいてくる。
これこそが火鳥さんの本来の姿(?)であり、単にこの機械に入っていただけである。
「貰った体、壊しちゃいました〜」と涙も吹っ飛ぶようなボケた口調に、笑顔になっていく一同である。
ドライアスは消滅したものの、ゾルとシュラは生きている。火鳥さんと同じような構造だからだ。
2人は本国に連行されたようで、今頃こっぴどくお説教をされているようだが‥‥ここまでドライアスと共謀して地球を散々な目に遭わせておいて、それがお説教だけで済むんだとしたら、地球人は納得がいかないんですけど!
・地球での役目が終わり、「次の任務があるので失礼します」と火鳥。
何もすぐに帰らんでも。ちょっとぐらい、地球でゆっくりしてきなよ。休む暇もなく次の任務って‥‥。それに「そろそろ迎えの船が来たようです」って、言い換えれば『さっさと帰ってこい』ってことよね。酷くないか?
ケンタは、任務が終わっても地球に居てほしいと思っており別れを惜しむが、火鳥さんは「またいつか会えるさ」と適当な事を言って慰めた。
それぞれ、お世話になった相棒と別れの挨拶をして去っていき、笑顔で手を振って見送るケンタ達であった。
・後日談として、天野平和化学研究所は自身の活動を公開し、ヒルマン教授の援助を受けて平和活動に活動することとなった。
『私設レスキュー団』のような団体で、一平と五郎もなぜか加わっている。
消火活動に勤しんでいるものの、市民からすれば「危うい・ハラハラする」ようで、佐津田刑事も全面的に褒め称えてはくれない。
消防車のレバーがぶっ壊れ、はしご車のはしごがグルグル回り、支柱が折れて炎の海に投げ出されるケンタ。
人の援助金を使って失敗って‥‥無駄遣いはやめてやってくれ。
・ケンタが炎の海に落ちる瞬間、誰からキャッチ。恐る恐る目を開けると、それは火鳥だった。
「いつか会える」と適当な事を言っていたような思えたが、本当に帰ってきたのである。あの時と同じ姿で。
初代エクスカイザーは、キッパリ「会えない」と断言して終わったのに真逆である。
敵を倒し、全て解決して全てが終わった時、勇者との交流はどうなるか?というのは気になるところである。
全勇者シリーズのアニメ放映終了後にゲームが発売され、各々の勇者が帰還して主人公と再開を喜ぶ場面があるが、それが無かったとして、作品として『会えない』で終わったのは後にも先にも初代エクスカイザーだけである(3代目ダ・ガーンは最終話で星史と別れたが、サントラで後日談が収録されている)。
・因みに、初代エクスカイザーと2代目ファイバードは作品こそ違うものの、同じ世界軸の中にあり、火鳥の宇宙警備隊入隊動機は「宇宙警察カイザーズに憧れたから」である。
ファイバード放映当初は、火鳥憧れのカイザーズが、クライマックスに向けた宇宙警備隊のピンチにゲスト出演する予定があり、その為、ファイバード放映中もカイザーズの玩具は継続して発売され、初代・2代目と2つのロゴを付けたカイザーズの玩具も発売され、CMも2作品を同時に紹介していた。
しかし、放映中であるファイバードの玩具の人気の方が圧倒的に高く(子どもは覚えるのは早いが、忘れるのも早いのだ)、ゲスト出演させてもかえって混乱を招くだけと判断され(確かに、誰だこりゃ?ってなる)、カイザーズは登場しない事となり、玩具もファイバードのみに切り替えられたとされる。
子どもは、『初代を観たからといって2代目も観るとは限らないし、今日観たからといって来週も観るとは限らない──』というのが子どもであるらしい。
因みに、ファイバードの世界はエクスカイザーの9年後の未来である。

当時を振り返って──。
当時洋画で話題になったスーパーマンを基に、『冴えない男・でも彼の正体は──?』がキャッチフレーズだった。
クラーク・ケントがメガネを外すとスーパーマンになるように、火鳥がメガネと白衣を外すとスーパーマン(ファイバード)になる。
これが若い女性の母性本能に火が付き、とにかく火鳥の人気が凄かった!
本気で火鳥の嫁になりたい者が現れたり(当時私も似たようなこと考えた)、火鳥と良い仲になる美子先生を恨んだり(怖)、火鳥に懐く着たきり雀のハルカを、美子先生に見劣りさせない為に服代を送ったり(汗)。
アドリブの応酬にも笑わされ、役者がツボにハマってしまいアフレコ収録が出来ない時も多々あったと当時声優グランプリに載っていた。
2代目では視聴対象年齢も上がり、敵の脅威が町内レベルから世界規模に変化。
ガイスターが“宝”(しょうもない宝の時も)を狙ってカイザーズと戦うものの、その戦い自体は他国は我関せずだったが(そもそもガイスターとカイザーズの存在は他国に知られてないんじゃ?)、ドライアスとの戦いは人類にとっての共通の脅威となっている。
さらに、初代では主人公のコウタは基本的に町内から出ていないが(福引で当てたエジプトを除く)、2代目のケンタは世界各地に赴くのである。
3代目になると、視聴対象年齢がさらに上がって宇宙規模となり、他の惑星の者(ヤンチャー)と協力して、宇宙共通の脅威と戦うことになる。 なお第一部では、監督は『勇者と主人公の別れ』をしっかり丁寧に描くことが大事とし、各3作品とも、それぞれ別れが描かれている(狙いは『親との別れ』の象徴だそうな)。
  監督が代わった第2部4作品目以降ではそれも無くなったが、“原点回帰”と位置づけられている最終作ガオガイガーでは、改めて『勇者と主人公の別れ』が描かれている。

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