42話 天から来た勇者

・シリアスが、母の面影を見る(現実味のない母親の姿だなぁ)。それは、惑星ミラダイスが見せた幻か。それとも、惑星そのものが幻か‥‥は、定かではない。
シリアスは、必ずしも悪ではない。彼にも未来はあるのだと思う。
・タクヤが次に訪れる予定の惑星。ここには、人間が住んでいた。
焚火をして火にあたっている子供たち。
『今日の見張りは○○』と言っているが、ということは、平和な星ではないのかもしれない。
でも皆は笑顔である。なんでもこの星には、『星に危機が訪れた時には勇者が天からやってくる』という伝説があるからである。その伝説を信じているため、笑顔でいられるようである。
・またしても、タクヤ達が訪れる予定のその星に、先回りして降り立ったシリアス。
愛犬レイザーと共に降り立ったのだが、森を探索している最中で、レイザーが罠にかかり傷を負ってしまう。
物騒な罠をしかけたのは、昨日焚火をしていた子供達であった。
罠をやぶろうともがいて傷を負ったレイザーを見た子供たちは、すぐに罠を解いてやり、治療の為に連れ出そうとするのだが‥‥そこにシリアスがやってくる。
レイザーを拉致するつもりと誤解したシリアスは、子供達に銃を突きつけ優位に立とうとするが、子どもたちは怯まない。そのため、自分達が敵ではないこと──そして、レイザーを治療するために連れて行こうとしていただけと説明する。
・レイザーは野生ではなく、飼われている犬だった。
この星には犬を飼っている人間はいないので、子供たちは、シリアスが他の惑星からやってきたことを悟る。
「この星にはどうやって来たの?」「宇宙船で来たのなら乗せてってくれない?」と頼む。
初対面の‥‥しかも銃を突きつけた(敵かもしれない)人物の船に乗ろうなんて、乗ったら最後攫われてしまうかもしれないのに、よく頼むなぁ(-_-;)。
しかし、それだけこの星が相当危険だということであり、この星にはガーゴイルという狂暴な怪獣がいて、惑星の住人は皆襲われ、とうとう7人だけになってしまったというのだ。
事態はそれほどまでにひっ迫しているので、なにがなんでも惑星を脱出したい!という切実さが伝わってくる。
それに‥‥この星に住む子供たちの長メーテによると、『シリアスの心は綺麗』らしい。だから直球で「宇宙船に乗せて」聞いているのである。 理由はズバリ『レイザーが慕っているから』(汗)。
しかしシリアスには、子供達を乗せる義理などない。
シュバンシュタインなら、メーテら7人ぐらい易々と乗せられるけど‥‥シリアスにその気はない。
その為、とっさに嘘をつき、「宇宙での事故で船が襲われ、かろうじて、自分とレイザーだけが無事だった」ということにしておく。
するとメーテは、孤独となったシリアスに、一緒にここで生きていこうと抱きしめるのである。
・シリアスから遅れて、惑星へと降り立つタクヤ。この惑星の名は「ムッティ」だそうだ。
「3食カップめんの生活からおさらばできる」らしいが、惑星探索の旅って、いったい何日経ってるんだろう?
・メーテはシリアスに、水汲みを頼む。これから一緒に住むことになったとはいえ‥‥いくら歓迎されたとはいえ‥‥シリアスは“客”ではない。つまり、『働かざる者食うべからず』である。
当然、シリアスは嫌だと断るが、レイザーがメーテの言葉に従ってしまう。まぁ、レイザーがやれというのなら‥‥と、イヤイヤながら水汲みへと行くシリアス。
立場上、母国では王子のシリアス。いつも上から支持をするだけの立場なので、まず体力がない。バケツに水を汲んで戻ってくるだけで息が上がっている(その持ち方だと腰やられるよ)。
水汲みが終わり、やっと休める──と思いきや、間髪入れずに『薪割り』の仕事を与えられる(汗)。
既にゼーゼーのシリアスは文句を垂れるが、レイザーがシリアスの腕を引っ張って「やれ」というので‥‥(苦笑)。
当初は、これ嫌〜あれ嫌〜のシリアスだったが、やりだすとまんざらでもないらしく、実にいい汗をかいている。
子供たちも、シリアスの働きぶりに感心するぐらいである。
・薪を拾いにやってきた子供に話しかけられて気を取られ、指の端を斧で切ってしまうシリアス。
頭上から思いっっきり斧を振り下ろしたというのに、その程度の傷で済んだのが奇跡である。
自身の血の赤さを不思議がるシリアス。メーテは、止血用に自分の髪紐を巻いてあげる(汚〜い)。
・タクヤ達は、降りたった惑星に、すでにシリアスがいることに不思議がり、「あれ、シリアスだよな?」と、信じられない。
しかし、必死に薪割りをしたり、素直に包帯を巻いてもらったりしている姿に、『いい顔をしている』と口を揃えた。
・ガーゴイルが現れて、メーテが捕まってしまった。
ガーゴイルに砲撃を浴びせれば、メーテだって無事では済まないため、全く手が出せないドラン達。
するとシリアスはシュバンシュタインに戻り‥‥何故だか、プラネットバスター発射を命令し、目標を惑星ムッティと定めるのである。
イーター・イーザックは、タクヤ達に「今すぐ惑星から離れろ」と警告。
シリアスはトリガーを引こうとするが、その時、メーテがくれた紙紐が目に留まり‥‥。
プラネットバスターのトリガーを引くと、ガーゴイルの脳天に直撃!
シリアスは、惑星を破壊することなく、ガーゴイルだけを撃ちぬき、そのままメーテに別れの挨拶をするでもなく、そのまま去っていった。
夜になり、メーテは、シリアスが姿を現さないことに、それはすなわち、“彼が勇者だから”と確信する。
「降りてきていたのよ」と、シリアスのやさしさで胸がいっぱいになっているようだ。


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