46話 絶対の孤独

・ワルターとシリアスの父である皇帝の演説。その名もトレジャー・ワルザック。
配下に置く部下も、おそらくワルター親衛隊や、シリアス艦隊にいたようなロボットなのだろう。
トレジャー・ワルザックは、無数のデスギャリガンを従え、レジェンドラへと赴くことになる。
・黄金郷レジェンドラに向かうドランたち。レジェンドラの超難所である門をくぐり、ついに黄金銀河内に入ることができたのである。
ここには空気があるため、タクヤ達はアドベンジャーの外に出てお菓子を食べながらウキウキである。
タクヤはドランに、「レジェンドラについたら、おいらの望みをかなえてくれるんだよね」とタクヤ。
「そういえば!」「そういう初期設定あったよね」とカズキとダイ。確かそれって第1話での話だったっけ。
・キャプテンシャークも黄金銀河内を航行中である。
前話でシリアスと戦い、銃を突き付けられて別れたワルターだが、そのような仕打ちを受けてもなお、未だに弟を愛しているようである。
シリアスがどうしてそんな冷酷非道な態度をとるのか。それはワルターが一番よくわかっている。なぜなら、ワルターも昔はそうだったから──。
すべてを失い、唯一の心の拠り所であったレイザーさえも失ってしまったシリアス。焦点が定まらない瞳で、もう居もしないレイザーの幻に向かって笑みを浮かべ、サイバーデスゲリギャンを造ってしまう。
もはや自暴自棄になったシリアスは、逃げ場すらなく、自分を含めた全てを滅ぼすしか道は残されてはいない‥‥というところまで追いつめられてしまっていた。
しかし‥‥それでもシリアスは子供である。最後は父に縋りたいのか、父親に通信を送り、「私を助けて下さい」と懇願する。
・タクヤは、なんとかしてシリアスと友達になりたいと思っている。
タクヤは、シリアスと同じような性格の子供を知っている。それは『二組の根本』君。
彼は漫画大好き少年。頭は良く、育ちも最高で家も裕福。しかし、どこかひねくれている。そのシリアスと、その子がどこか似ているというのだ。
「どうしたらシリアスを『悪もん』から『良いもん』に変えることができるか。
ワルターと同じく、この状況になってもなお、シリアスを救おうとしているタクヤ達である。
「いっそ、レジェンドラにお願いしてみたら?」と提案するダイに、「それはできません」と、宇宙から声が──!
・その声は、レジェンドラの声であった。
リカちゃん人形のような金髪の女の子が、レジェンドラ王である。
人の心の1つ1つは宇宙のようなものであり、それを操ることは不可能であるという。
ワルターは、「シリアスの心を善に転じることは不可能なのか」と問うと、レジェンドラ王は答えない。
するとタクヤ達は、シリアスの長所をそれぞれ挙げだした。「これまで一緒に旅してきたし(正確には、勝手に尾けてきただけ(^_^;))、あいつだって仲間みたいなもの。そりゃ悪い奴だけど、普通」「犬を大切にしている」「頭が良いことは、悪いことではない(そりゃそうだけど‥‥何かが違う(-_-;))
とにかく、必死になってタクヤ達はシリアスは“良い奴”と庇うので、レジェンドラ王は、『ならば覚悟を持て』と試練を持ち掛けた。
・サイバーデスギャリガン内に取り込まれたタクヤたちはシリアスの前へ。
「レジェンドラ王にシリアスを助けてほしいとお願いしたら、ここに来た」とダイ。
突然現れたタクヤ達に怒りを覚えたシリアスは、ドランたちに攻撃をし始める。
・わざわざ戦いを引き起こすレジェンドラ王の真意がわからないワルター。
タクヤ達は、「シリアスが攻撃をやめれば僕たちもやめる」と頼むが、シリアスは聞く耳を持たない。
人の言葉を聞かない。人の善意がわからない。人の悲しみもわからない。
そのシリアスの考え方には一切血が通っていない。そんなシリアスが、ただ一人だけ心を許す父に『助けて』と懇願しても、子が子なら親も親。シリアスが兄ワルターを突き放したように、トレジャー・ワルザックも、シリアスを突き放し、まさしく因果応報である。
・親から突き放されたシリアスは、「私は孤独で、誰からも愛されない。だから私も誰も愛さない」と悲しく呟き、すべてを滅ぼすことを決意する。
・シリアスを追うと、シリアスはプールの飛び込み台のような場所に立っていた。
カズキは、ここが巨大なコンピュータの構造になっていることに気付き、プール内にシリアスが入れば、頭脳も心も魂さえも、CPUとして取り込まれてしまうことを悟り、必死になって止める。
しかしシリアスは、タクヤ達と、シリアスを追ってきたワルターの前でプールの中に飛び込んでしまうのである。
最期に笑みをうかべるシリアスの悲しさに、タクヤたちもワルターも絶句する。
なぜ、タクヤ達とワルターが自分を追ってきたのか、その理由さえわからないのね。

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