12話 よみがえる古代昆虫

・巨大な昆虫の話?蟻・蜂・蜘蛛・百足以外ならどんな虫でも大好きな私は、どんな話かとOPからワクワクです(虫が好きな女は珍しいらしい?)
・勇太の部屋に侵入者有り!?と思ったら、勇太のお父さんだった。「勇太が起きるのを朝まで待っているつもりだったけど、待たずに済んじゃった」と笑っている。なんとも気長で呑気な父。ですが、部屋に人が侵入していたというのに一切気づかず、眠りこけている勇太も呑気ですね(仮にも警察官では?)。母も父も呑気なら子供が呑気。遺伝なのかしら?
・家族でババ抜き。
 母が「パト吉さんがいるから大丈夫でしょ」と窓の方を向くまで、デッカードがこの部屋を覗いている(汗)事に全く気づかんかった。「いやだなぁ。覗きなんて嫌らしい!」と知人。嫌らしいって‥‥覗き魔みたない事言っちゃ可哀想よ。
・「どれを引く〜?」。母は勇太にババを引かせようと、ジョーカーを上に押し出している。この引かせ方、知人もよくやる“手”です。単純で陳腐なくせに、なかなか考えさせられる“手”です。普通に考えれば、『押し出したカードこそがジョーカー』。一見子供騙しの“手”のように見えるが、裏をかいて、敢えて普通のカードを押し出している可能性もある。「騙されないぞ!」と、勇太も裏を欠いて引いたのだが、結果は空しくジョーカーだった(笑)。
・父の土産物の木彫り人形から何やら音がする。ガリガリ‥‥ガリガリ‥‥怖いなぁ。中に何かいるんじゃないの?
 次の朝、人形は真っ二つに引き裂かれていた。
 勇太が音のする方に目を向けると‥‥‥‥いも虫がいる!?私たちの脳裏に一瞬モスラの歌が流れ出す‥‥。いも虫ってことは幼虫だから、いずれ成虫になるんでしょうね。モスラはになったけど、このいも虫は一体何になるんだろう?
・古代昆虫「カバリエントロバラエリカドドメス」。長い名前‥‥早口言葉みたいだ(笑)。通称「バラメス」だそうだ。
・バラメスの第2変態の姿。勇太は『不気味』というが、私はそんなに不気味には感じなかった。カマキリみたいだなぁと思っちゃいました(笑)。冴島さんは、バラメスの姿に感動したらしく「美しい!」と絶賛(私は虫好きだが、「美しい」とまでは思えません(;´▽`A``)。
・第3変態をする為、穴を掘ろうとしているバラメス。多分土の中に潜ろうとしているのでしょう。でも、掘っても掘っても水道管が破裂して水が出るだけで潜れやしない。水や土を求め、バラメスが街を破壊しながら進んでいくのを見て、勇太が放った言葉は「攻撃して!」。私はてっきり威嚇攻撃でもするのだろうと思っていた。でも「殺しちゃだめだ」の父の言葉に「でも!」と反論する勇太に正直ビックリしました。勇太はバラメスを『殺す』つもりだった。この発言には驚きましたが、いともアッサリと口に出せる勇太にちょっとガッカリです。今回の相手はロボットではなく生き物。いくら理由が『危険』だからとはいえ、人的被害がまだ出ていないのに、簡単に殺す方向に持っていっちゃいけないんじゃないかなぁ?ファイバード達を見習って欲しいです。
・バラメスが汚水を飲むシーンは、なんとも心苦しいシーンでした。「このままじゃバラメスはすぐ死んじゃうね」by知人。現代に生きる魚でさえ、汚水によって死んでしまうのに‥‥汚水とは無縁な時代に生きたバラメスがこの汚水を飲んだら‥‥。バラメスはきっと、この回だけで死んじゃうんだなぁ‥‥と思うと、とても切なくなってしまいました。
・生きて動いているバラメスを見て、胸が熱くなる勇太の父。決して動く事の無い紙の資料の中で、夢を膨らませながら眺めているだけだったバラメスが現実にいるのだから、感動はそりゃ大きいでしょう。しかし、その昆虫が人間に危害を加えたりしないだろうか?保障は全く無い。例え夢膨らませる言葉でバラメスが紹介されていても、実際問題、誰も現実に本物にお目にかかってないんですからね。夢物語のように紹介されていたのに、この生き物がこんなに恐ろしかったなんて‥‥こんなに危険な存在だったなんて‥‥よくあることです。理想と現実のギャップというものでしょうか。
・成虫になったバラメス。やっぱりモスラと同じく『蛾』だったのか(笑)。
 バラメスの鱗粉が、あらゆるものを溶かしていく。工場も爆発。ここまで危害が及んだらバラメスを攻撃するか、最終的には殺さなければならない確実に人間社会に危害が及ぶと判断した時点で、然るべき攻撃態勢に入るべきです。相手は生物、まずはそれを念頭に入れる事。だから簡単に殺生の結論出さないでね勇太君)。
 「ロマンだ」と、多少危険の中に身をおいてでも夢を見たい大人。一方の勇太は、ただ現実だけをじっと見つめていた。古代昆虫だろうが学術的価値があろうが関係ない。目の前にいるのは、ただの『人間社会に危害を及ぼす生物』であると確信します。
・「バラメスを攻撃する。今は街を守ることが先決だ」という勇太の言葉に、深く頷く勇太父。
 某映画の台詞に「人の命より価値のある夢や感動なんかこの世にはない」というのがあります。命と生活の安全をまず確保する。それから夢を見ればいい‥‥
・ブレイブポリスに攻撃されたバラメスは、死んでしまいました。今回の一番の被害者はバラメスだった。
 「この時代にさえ生まれなければ‥‥」。この時代にさえ生まれなければ、汚い空気の中で飛ぶ事も無く、汚水にもまれる事も無く、人間に追われる事も攻撃される事も無かった。思いのまま自由に大空を羽ばたく事が出来ただろうに‥‥‥
 バラメスは、一度も故意に人間を攻撃してはいない。煙を出したのは自己防衛のため。鱗粉をばら撒いたのは、飛ぶ為。バラメスは、ブレイブポリスが怖かった。ブレイブポリスの攻撃から逃れる為、安全な森を目指してひたすら飛んでいた。ただただ、『生きる為』に必死に飛んでいるだけだった。
 勇太の父は、バラメスがただ「生きたい」が為に飛んでいるのを知っていた。しかし人間のいる街では、バラメスを生かしておく事が出来ない。羽が落ち、身が削げ、ボロボロになっても、それでもまだ「生きたい」と、都会の中、有りもしない森を目指して飛び続けるバラメス。その姿を、儚くも哀れに感じたのだろう。「あんな街‥‥滅んじまえば良かったのに‥‥」、たった1日さえも生きる事ができなかったバラメス。バラメスにも生きる権利はある。街を犠牲にしてでもバラメスを生かしてあげたい。バラメスが暮らしていける環境を、ここに作ってあげたい。バラメスが生きている姿を見ていたい‥‥ずっとずっと見ていたい。勇太父の、バラメスへの思いがひしひしと伝わってきます。
 
 この回は本当に可哀想で、涙が出た話でした。私も不謹慎ですが、街を滅ぼしても、バラメスを1日でも長く生かしてあげたいと、少しだけ思ってしまいました。

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