17話 邪神インティ

・人間の欲望を開放する邪悪心インティ。その石像は、博物館に展示するため運んでいる途中、どこかに消えてしまったらしい。う〜ん‥‥ちょっとオカルト入ってますね。
 人間の欲望を開放し、一夜にして文明を滅ぼしたといわれるインティ。う〜ん、人間の欲望は果てしないからなぁ‥‥。
・防衛軍の蒲原が、インティにとり憑かれた。『戦車砲を撃ちたい』というのが彼の欲望。
 彼の欲望を目の当たりにしたマクレーンは、「この人間の欲望は街を破壊すること」と判断する。なんで人間はそんな『悪』の欲望を持つのだろうか?と疑問を持ち、人間の欲望を醜く思う。しかし‥‥蒲原さんの欲望は、本当に「街を破壊する」ことだったのでしょうか?彼の欲望は、単純に『戦車砲を撃ちたい』だったはず。ところ構わず『撃ちたい』とは思っていなかったと思う。だが、インティによって欲望が引き出されてしまうと、単純に『撃ちたい』だけの欲望が、まるで本能のようになってしまうようだ。
 ってことは‥‥ほんの些細でも、例えそれが良い欲望であっても、爆発したら‥‥(汗)。
・欲望を理解できないマクレーン。人間の醜くて汚い欲望に、マクレーンは幻滅。
 「どうして人間には欲望なんてものがあるのか?」と、せいあさんに詰め寄る。「え?」と返答に戸惑うせいあさん。そりゃそうだ。誰も、『欲望とは何か?』なんて、真剣に考えたことはまず無いだろう。
 マクレーンの『欲望が醜い』という部分は、悲しいかな、認めざるを得ない部分もある。『金銭欲』に関しては、確かに醜かったりするものだ。しかし、良い欲望だってあるわけで‥‥(『善悪』の心を持って、人間なのだから)。そもそも、欲望なんてものは、死ぬまで決して捨てられないものだ。悩んだせいあさんの結論は、「それでも人間には必要なのよ」。それしかと答える事が出来なかった。
 『人間には欲望が必要』といわれて、深くため息をつくマクレーン。「私は、自分に欲望が無いことを誇りに思います」と、半ば人間を軽蔑して突き放す。その言葉に、せいあさんは悲しそうに肩を落とす。
・マクレーンはデッカールームから外を眺める。この街の灯りは全て、人間が作り出した物だ。
 「この街には、何もかも溢れている。それでも人間はまだ足りないのか」と、マクレーンは、果てしない欲望を持つ人間に、そうとう嫌悪感を抱いているようです。
 「それでもまだ足りないのか」という言葉には、ちょっとグサッ!とくる。あれが欲しい、ああしたい、こうしたい‥‥追っても追っても、欲望というものは本当に果てしなくキリがない。友人の現役警察官Sも同じく、いつも口癖のように知人にグダグダ(知人に愚痴っても意味無いのに)。知人の父と自分を照らし合わせ、日々愚痴っている。「もっと勉強していれば、交番勤務なんかにはならなかった‥‥お前の父のように官僚になりたい」と、いつも愚痴っている。それを聞いてクスッと笑ってしまう私がいる。
 中卒の人は高卒を羨み、高卒の人は大卒を羨む。大卒の人は大学院卒を羨み、大学院卒は博士を羨む。どこまで追ってもキリがない。今の現状に決して満足しないのが人間なのだ。
・インティの像が動き出した。「お前の欲望を叶えてやろう」とインティ。石像にせいあさんの顔が映り、ハッとするマクレーン。これはどういう欲望( ̄▽ ̄) ニヤリ?というのは置いといて‥‥(笑)、自分の欲望を見抜かれたようで愕然とするマクレーン。
・「犯罪者は皆、死刑だ!死刑だ!」と、銃をぶっ放すマクレーン。とっっても危ない。
あらら‥‥正義感高いマクレーンならではの欲望かもしれない。
 正気に戻ったマクレーンにシャドウ丸は、「犯罪者を根絶やしにしたいと思う欲望が解放された」と言っている。
 これは一見良い欲望の筈なのに、程度を超えるとこうなってしまうか?つまり、善悪問わず、どんな欲望も程度を超えると怖いものだということですかね。
・マクレーンは、自分がこんな醜い欲望を抱えていたことを知り苦悩する。で、凹んでいるときに限って、バッドタイミングでせいあさんが来てしまったからショック倍増。せいあさんに、自信たっぷり「私には醜い欲望は有りませんから!」と宣言してしまった手前‥‥バツが悪いわね(汗)。
 せいあさんもショックを受けている。あれだけ自分に自信を持っていたマクレーンが、落ち込み嘆く姿を見るのは、さぞかし辛くて悲しいだろう。そして、そのせいあさんを見るマクレーンはさらに辛いだろう。ついにマクレーンは、超AIを自ら停止して引きこもってしまった。
・『自分にも欲望があったことがショックだったんだろう』と藤堂さん。そりゃそうだ。マクレーンの誇りは、「自分に欲望が無い事」だもんね。自分に欲望があっただけでもショックなのに、それが『醜い』ときたもんな。
 マクレーンの超AIをどう触るか?にっちもさっちもいかない状態の中、せいあさんが「マクレーンのメモリーを初期化して下さい」と頼む。
 何故、そのような危険な行為を行わせるのか‥‥!?冴島さんと藤堂さんにはその真意はわからなかったが、せいあさんには、何か確信があったようだ。『死の恐怖を味わせれば、死を恐れて自ら目覚めるだろう』
 せいあさんの狙い通り、マクレーンは死を恐れ、自らメモリー消去を拒否して目覚めた。
・マクレーンは、スーパービルドタイガーになることを拒否する。もしスーパービルドタイガーの欲望を引き出されてしまったら‥‥と、怖がってしまっている(トラウマっていうやつね。トラウマに陥りやすい人は、今のところダ・ガーンだけ(トラウマで後ろ向きなダ・ガーンに、星史はいつも渇を入れていた^^)だが、マクレーンもトラウマになりやすいタイプね)。
・せいあさんはマクレーンを助けるため、自らインティの光線を浴び、自分の欲望をマクレーンに見せる事を決意。
 勇気あるなぁと感心。私はそんな事、とてもじゃないけど真似出来ない。どんな欲望が引き出されるか分らないって、一番怖い。もしも恥ずかしい欲望が引き出されたら‥‥‥‥一生気まずい雰囲気が流れてしまうかもしれない(恥)。
・ハンバーガーを食べまくるせいあさん。そういえばダイエット中って言ってましたね。
 せいあさんはマクレーンにキス。彼女は、マクレーンをどう見ているのだろう?ロボットとして見ていないことは確かですね。取り敢えず良かったねマクレーン(某映画では、女性に告白したら「機械に愛情を注ぐわけにはいかない」と言われ、無残に撃沈した哀れなロボットがいたので、余計にこのような関係を見るとホッとする)。
・せいあさんは、「さっき貴方が目覚めたのは何故?」と聞く。
 「死にたくない‥‥そう思ったからでしょ?」。せいあさんに言われ、ハッとするマクレーン。
 「もっと生きたいと思うのも欲望の一つなのよ」とせいあさんはマクレーンに諭す。「人間には欲望が必要であり、捨てる事は出来ない。貴方も人間だから、貴方も欲望を捨てることは出来ない」
 そうですね。『欲望=本能』と同じですよね。『生きたい』『食べたい』の本能は勿論、『動きたい』『話したい』は理性だと言われていますが、それも本能と同じですよ。その欲望がなくなったら‥‥本当に命令されるだけのロボットと同じになってしまう。それはとても悲しい生き方だと思う。
・綾子さんから通信が入り、インティは『合わせ鏡』で封印されていたらしい。その為、インティを合わせ鏡で挟めばまた封印できるという。
 了解した!さぁ行くぞ!って時に、またマクレーンがインティの光線を浴びてしまう。銃を構え、ビルを撃つ。皆は、あぁ‥‥またマクレーンは欲望に‥‥と落ち込むが、せいあさんだけは、マクレーンの事を信じていた。そして、マクレーンがビルを爆破した意図を察知。ビルから降ってきたガラスを合わせ鏡にしようとの考えだったのだ。
 インティは、合わせ鏡に悶え苦しみ、封印された。
 インティの欲望から解放されたマクレーンは、勇太に「何でインティの光線浴びたのに何ともなかったの?」と聞かれる。すると、「インティの光線はちゃんと利いてましたよ。だって私の欲望は、インティを倒す事でしたから」とマクレーンは笑って答える。
 マクレーンは自分の内の欲望を受け入れたそうだ。欲望は誰にだってある。心を持つ限りは絶対に‥‥。

PS:「合わせ鏡で封印って言うけどさぁ、あれだけ高層ビルの間をウロウロしてたら、嫌でもどっかのガラス窓で合わせ鏡が発生して、勝手に封印されるでしょー普通?」by知人。
 それは、絶対に言ってはいけないお約束だ(汗)。

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