35話 勇者警察パワーアップ計画

・「ガンピュレーター」という射撃用システムが、ブレイブポリスに導入されるらしい。
超AIで弾道を制御して、命中率は100%になるらしい!
凄い凄い!とワクワクする勇太に対して、デッカード達の表情はどこか沈んでいる。
ブレイブポリスが強くなるのは喜ばしい事であり、人間が太刀打ちできない事件を解決するのが使命である。
メンバーはそれを頭では理解しているが‥‥すごい嫌そうである。
・夕食の際、勇太はブレイブポリスが強くなる事を姉に報告し、「もっともっと強くなるんだよ〜♪」と満面の笑みである。
‥‥で、「僕は嬉しいよ。でもデッカード本人は嬉しそうじゃないんだ。なんでかなぁ」と、ボスのくせに無頓着すぎる!
するとあずきは、「機械のように扱われるのが嫌なんじゃないの?」と答え、それを聞いた勇太はデッカードに問いただし‥‥デッカードは「嫌」ときっぱり答えたのである。
自分達はロボットだけど、人間のように努力をして性能を向上したいのだと。
う〜ん。気持ちはわからなくもない。パーツを交換して「はい、強くなりました〜よかったよかった♪」は空しいものね。
・勇太は、デッカードの意向を冴島さんに報告。話がわかる冴島さんは、ブレイブポリスの心をくみ取ってくれ、システムの導入を見送ってくれた。
しかしそうなると、システムの開発者は面白くないものである。折角ブレイブポリスのためを思って開発したのに、そのブレイブポリスが「いらない」と却下したのだ。
こんなに素晴らしいシステムなのに、どうして要らないんだ!!と開発者は怒り狂い、ブレイブポリスに、そのシステムを使って挑戦しようとする。
・無人工業プラントに、謎のロボットが出現。破壊行動を行っているとの報告を受け、ブレイブポリスが出動した。
あのガンピュレーターシステムを搭載し、ブレイブポリスと戦わせるのが目的だそうだ。
自分の開発した技術が詰まったシステムを不要とされた恨みからの犯行である。
ブレイブポリスが現場に到着したが、相手はあの“100%の精度”を持つガンピュレーター。あっという間に追い詰められていくブレイブポリス。
こちらが銃を撃ったら相手は避ける。しかし相手が銃を撃てば精度の高さによりこちらは命中する。
もはや勝ち目はないに等しい。シャドウ丸はエドガーを見つけ出して逮捕。直ちにシステムを止めるよう命じるが、破壊するしかない。だが、破壊すれば内蔵された火薬が周囲を巻き込んで大爆発するのだとか!
だから〜!どうしてなんでもかんでも破壊しちゃうのよ。軌道エレベーターも台風バスターもメトロニックシティも、最終的には“破壊”なのよ。技術的には素晴らしいじゃない。
ブレイブポリスは確かに要らないと言ったけど、でも貴方の技術は認めてる(冴島さんもちゃんとフォローしてよぉ)。ブレイブポリスがダメなら、人間の警官に持たせればいいじゃない(そうだ。警視庁の人間に持たせよう♪)。破壊の前に、どうやったらその“素晴らしい技術”を失くさずに守れるのか、この世界の人間は考えたりしないのかなぁ。
・ガンピュレーターを不要だと言った以上、勝たなければならないブレイブポリス。
ブレイブポリスが勝てば‥‥周囲は爆発するので、シャドウ丸に勇太を任せ、できるだけ遠くへ勇太を逃がすよう指示。
勇太は「自分だけ逃げるのは嫌だ」とシャドウ丸に降ろせと命じるが、シャドウ丸は無視(おおっ、ロボット3原則が利いてます)。
人間は死にたくない。ロボットだって死にたくない。でも秤にかければ、人間が生き残る方を選ぶのが当然。なぜなら、『人間の命の方が重いから』である。
どちらにも心はあるが、ロボットが“作り物”である以上、人間と同等に考えることはできないのである。
米映画でも、そういう議論を展開する作品は山のようにあります。
ロボットが人間女性を愛して告白したら、「ロボットに愛情を注ぐわけにはいかない」と酷いこと言われたり(爆)。
現実世界にAIが登場してからは、AIとの恋愛映画がドンドン出てきています。
AIを積んだOSに本気で恋しちゃった男性が、「ぼくの事好き?」と聞いたり愛を囁いたり、一緒にデートする〜なんて作品が公開されたりして、心を持った機械と共有できる日は近いのか?
他にも、自分が描いた通りの女性が現実世界に現れ、自分が書いた設定通りに自分を愛し、自分が書いたセリフを囁いてくれる‥‥という映画もある(笑)。
AIなので学習能力があり、自分以外の人間と交流するたびに自我が成長。自分以外の男性と良い感じになると主人公は設定と脚本を書き直すという(爆)。
AIとの恋愛映画は、2000年代から山のように出てきているけど‥‥思えば、1984年には『ターミネーター』が公開されている。“AIが自我を持ち人間を襲う”設定は画期的だった。

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