36話 故郷は遠く

・デッカード、勇太、ドリルボーイは、ある男性を追って田舎町へ向かっていた。。
その男性の名前は「間芝史郎」。天才生物学者でありながらも、違法バイオ開発を行ってきた。
勇太たちは、てっきり間芝は逃げるだろうと思っていたのに、いともアッサリと発見し、更に自ら保護を求めてきてビックリ。
保護してくれる代わりに自身が行うバイオ兵器の情報を渡すと言うので、断る理由が無く、勇太たちは応じることに。
・命を狙われた間芝を護るため、とばっちりで勇太まで狙われるの避けるため、デッカードはひたすら逃げ続ける。
逃げ込んだ水路で、デッカードは間芝にバイオマシンの弱点を問うが、なかなか答えようとしてくれない。
間芝の「最終的には、どうせ俺に頼らざるを得ないから親切にしろ」的な横柄な態度に、ドリルボーイはこんな奴を護るべきではないと怒ったのである(子供だねぇ)
・話す話題がなくなってしばしの沈黙の後、間芝はさっきから気になったのか、デッカードに向かって「どうして勇太を守るのか?」と問う。
するとデッカードは「当たり前の事だから」「私にとって守るべきものだから」と答える。‥‥だから、どうして“守るべき”なのかを聞いているのでは?
おそらく、勇太を守るのがデッカードにとっては自然なことであり、守る理由など考えた事すらないんだろうな。だから、理由を聞かれても答えようがないんだろう。
・間芝の隠れ家を再調査していたデュークとシャドウ丸。
デュークは、デッカードと一緒にいる間芝は本人ではないと気づいた。でも‥‥断定するには証拠が無いのでどうしたらいいのか。
2人は、なにか決定的な何かが欲しいなぁと警視庁に戻ったところで、間芝が保護されたことを知って駆け付けた母親と面会。
う〜ん、あくどい間芝の割には、物静かなお母様ね。
・間芝と母親を引き合わせたころ、「息子です」と簡単に認めちゃう母親。それでいいのか?目を見ればわかるのか?母親というのはそんなもんなのか。
感動の再会場面だが、巨大バイオマシンが間芝を狙って現れた。
この事件の発端は、間芝の才能に嫉妬した者が引き起こしたもの。
実は元間芝は、自分のクローンを造りだそうとしていた。う〜ん、他人のDNAを入手するのが困難だったのかな?
現在の社会では、クローン胚を作っても受精卵に定着させて母体から産ませることになるので、クローンが誕生したとしても赤ん坊の状態となる。それから成人させる為には20年かかるのだが、この世界では試験管で誕生させることができ、なおかつ成人の状態で産ませることができる。
とても進んだ世界ですね(その割に、軌道エレベーターや大型テーマパークなど、その後がダメダメですが)。
間芝のクローンも完成間近となった時、間芝は銃殺されてしまう。間芝のクローンが動き出して本人に成り代われってしまえば、本人は不要となるからである。
1人残されたクローンは、間芝に成り代わるために日記やビデオを見て本人を真似て間芝に成り代わったものの、“間芝の代わり”として仕われているのが嫌になり、組織を脱走したのである。
・母親と勇太を庇った間芝。間芝の胸に傷が無いことを知った母親に向かって、自分がクローンであることを打ち明ける。しかし母親は、それでも間芝を庇い、彼が息子だと言い続けた。
そんな間芝を庇うデッカード。ドリルボーイも、最初は間芝のことを気に入らなかったが「ボスを助けたから!」という理由で間芝を助ける側に回る(ほんと単純)。
・途中遠回りをしたが、予定通り警察に保護されることになった間芝。母親は間芝がクローンと聞いても、それでも「待ってる」と告げた。
警察へと向かう車内で、口笛を口ずさむ間芝。勇太に「何の曲?」と聞いても、間芝も何の曲かはわからない。しかし、なぜか心が休まるという。
ラストで、その曲が本物の間芝が小さい頃に聞いていたオルゴールの音色だった。日記にはそんなことも書いていないし、自分が見た間芝のビデオは成人してからのもの。
間芝の“姿、記憶、知識”を全て受け継いだクローン間芝。クローンが“心”までをも受け継いだのならば、“本物”と“クローン”の境界線ってなんなのだろう。


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