37話 鯨神狩り

・鯨の密漁船が横行しているため、国連からブレイブポリスに出動要請があった。
今回は、人間が人間に対して悪事を働いているわけではないので、どことなくブレイブポリス達には覇気がない。
「鯨を絶滅させて何が悪いのか?」と言うパワージョーだが、乱獲によって自然の生態系を乱すようなことがあってはならない。
捕鯨に関しては、政治的な面で好意的な印象を持たない国や団体もあります。
日本も諸外国から色々言われている身ではありますが、やはり昔から食べてきた食文化もあるし、生態系を乱さない程度に捕獲をしているんだから、あれこれ言われる筋合いはないんですよね。
実際、鯨って美味しいんですよ♪
・密漁団を発見。密漁団は逆に鯨に襲われていた。
密漁団を逮捕して鯨を守れと依頼を受けてやってきたブレイブポリスだが、一応『人命優先』の観点から、密漁団を助けるために鯨を攻撃することになってしまった。
ものすご〜く納得のいかないブレイブポリスだが、仕方なく密漁団を助けることした。
しかし、密漁団を助けるブレイブポリスの姿は、まるで『密漁団と共に捕鯨をしている』ように見えてしまったらしく、その光景が全世界に衛星中継されてしまっていた。
冴島さんから緊急連絡が入り、いますぐ撤退するはめになってしまった
国連の依頼を受けたから渋々応じて“あげた”のに、なんとも悪意に満ちた放送をしてくれちゃって失礼すぎる。
・鯨を崇拝する宗教団のリーダー(教祖か?)は、なんらかの方法で鯨を操って、それを『ゴットホエール』と呼び、その力を以て自身を崇めるよう仕向けていると推測された。
しかしデュークは、鯨は自らの意思で人間を恨み攻撃しているように見えると言うのである。
・ブレイブポリスのボスとして、鯨の事を勉強する勇太。
図鑑の活字を読んでも理解できない勇太。鯨とは?捕鯨とは?なぜ捕鯨はダメなのか(これは異論はある)?答えが導き出せずうなっていると、くるみが「鯨に詳しい博士がいるから紹介してあげようか?」とアドバイスしてくれた。
本当は、くるみは博士の息子に憧れており、単に彼に会う口実を探していただけであるが、それでも勇太にとっては嬉しい申し出であり、さっそく博士宅へGO!
しかし、博士は既に引退同然の生活をしており、息子は病気で死んでしまったと伝えた。
ただ、引退したとはいえ知識はあるのだから協力してくれても良いのに、まるで逃げるように門前払いされた勇太は唖然とするのであった。
・宗教団は鯨を使って人間を襲い始め、攻撃を止めさせたいなら金を払えと卑怯な取引を要求。
その要求に屈しない国連は、あれだけ鯨を保護してほしいとブレイブポリスに依頼しておきながら、今度は『鯨を殺処分しろ』と依頼。
前回とは真逆な依頼だ。ブレイブポリスはメディアから散々悪者扱いされて生中継されて、それでも国連は庇うこともしてくれず、今さらどの面下げて鯨の殺処分を依頼できるのか。
手のひら返しの依頼に納得のいかないブレイブポリスではあるが、鯨に襲われている人間を救うために渋々承諾することに(人良すぎ)。
しかしデュークは、コロコロ態度が変わる国連に憤慨し、そんな無慈悲な依頼は突き返すべきと反論した。
人間を守るために作られたブレイブポリスは、たとえどんなに理不尽なことがあろうが、最後の最後は人間の味方になってくれる。
一方デュークは、人間が犯した罪により受ける罰は、責任を以て被るべきという因果応報タイプのようだ。

2010年、NASAは月探査機による衝突実験で、月にはケイ素・チタン・アルミニウム等100種類以上貴重なレアメタルが多数存在(埋蔵)していることを発表した。
地球上では希少で争奪戦になっているレアメタルだが、NASAは『月にはレアメタルが豊富に埋蔵されている』と公に発表してしまったもんだからさぁ大変!
それを聞いた各国は目を輝かせ、未だ誰の土地でもない月に赴き、資源を奪い取って帰ろうと奮起することになる。
まさに突如訪れたムーンラッシュ!!各国が我先にと月面探査車を作り出し、誰よりも早く月に行こうとしている。
もちろん日本も遅れを取ってなるものかと、2021年に『月面探査を目的にした宇宙飛行士』を募集した。
月から資源を持って帰るという大プロジェクト。これを夢物語と好意的にとらえる一方で、『浅ましい行為だ』と非難する意見も、少なからずある。
映画『インデペンデンスデイ』で、自星の資源が枯渇したため、地球の資源を略奪しに来た宇宙人を地球人が迎え撃ったが、なんと現実世界で地球人がそれを月でやろうとしているのである(幸い?月には誰も居ないからいいけどさぁ〜)。
まさか、地球人が侵略する側になろうとは思わんかったわ‥‥。人間が地球の資源を採掘しまくって、採れなくなったら他の星を開拓することを非難する者たちも、ある意味正しい。
しかし、どの国が最初に「とったど〜!」と雄たけびを挙げるのか、聞いてみたい気もする(人間の愚かさだな、これも)。倫理的にやって良いことと悪いことを、問う時代に来たのかもしれない。


・ゴッドホエールが暴れている。
宗教団は、これぐらい人間を痛めつければ十分だと、もう攻撃を止めるよう祈りますが、ゴッドホエールは攻撃をやめようとはしなかった。
「ゴッドホエールは祈りを聞いてくれなくなった」と悲しむが、そもそも今まで祈りを聞いてくれていたかだって怪しい。おそらく、そう思い込んでいただけだろう。
ゴッドホエールが火を吹いた瞬間、宗教団リーダーはやっと目が覚めたようで、純粋な生物ではないと確信した。
マクレーンが分析した結果、サイボーグだと判明し、それ見たことか!
とはいえ、じゃぁ誰がこのゴッドホエールを作ったのか?宗教団は、知らないという。北の海で、たまたま自分たちの言葉を理解して行動する鯨を見つけ、連れて帰ってきただけだというのだ。
・一方、居残り組のデュークとシャドウ丸はゴッドホエールの造り主が、先日勇太と会った水島博士だと突き止める。
しかも、ゴッドホエールには“自我”があり、博士の亡き息子の心がコピーされているいう。
人間のエゴにより生まれた疑似生命にくるみは激怒。
ただ‥‥息子はAIをコピーする直前に死んでしまったため、ゴッドホエールは自我を持っていないはずだった。
デュークは、『異質な生物を、自然は仲間と認めてくれなかった。だから暴れている』と推測。
人間でもない、鯨でもない、ましてや生物でもない。どこにも居場所がない疑似生命は、自分の運命を呪って暴れているのでしょうか?
・ゴッドホエールは、人間に害であると位置づけれらたため、倒されてしまった。
死んだ(壊れた)ゴッドホエールを哀れに見つめるブレイブポリスたち。
いつもならスクラップは回収するのだが、誰もそれをしようとしない。“生物”ではないと断言できないからだ。
この鯨はどこへ行くのか──?腐敗して自然に還るのか、それとも結局は回収してゴミとして扱うのか?
デュークは、同じく人の手によって造られた自分と照らし合わせて何とも言えない感情が渦巻いている。
・ゴッドホエールの周りを海の妖精達がやさしく取り囲み、“生物”として迎え入れられた。
デュークは、いつか自分たちが機能停止になった時、自然界はそれを“死”として受け入れてくれるんだろうか?と疑問を抱いた。
造った人間だっていつまでも生きてないし、人間だっていつかは絶滅するかもしれない。
でも‥‥勇太もレジーナも全員死んで、それでも自分だけが生きているって嫌だなぁ。


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