45話 ビッグ・マザー

・世界で凶悪犯罪が起ころうと、季節はクリスマスムード。
勇者シリーズ恒例、クリスマスを境にクライマックスへと突入していきます。
こういう時こそ前を向いていこうと、ぴりぴり亭ではクリスマスの飾りつけを行っている。
皆が楽しみながらクリスマス〜♪の中、柏崎だけは神妙な面持ちでTVのニュースに食らいついている。
エストニア共和国では、ロボット兵器を利用した軍事クーデターが発生しているらしい。
そして、数日前より謎の電波変動があり、NASAが調査した結果、地球には特に影響はないらしい。
それを聞いた柏崎は「そんなことはない!」と叫んで、どこかへ行ってしまった。
柏崎によると、この前勇太達と接触したハイジャス人が、地球に興味を持ち、いろいろな観測をしているらしい。
・デッカールームでは、エトニアよりクーデターへの出動要請が有ったことに対し、どう対処したらいいかを話し合っていた。
歴代の勇者シリーズが日本のみならず世界中で活躍していたので忘れがちだが、ブレイブポリスは勇者とはいえ、あくまでも『日本国の警察官』。日本国を守るために開発された、日本警察が“所有”するロボットである(所有と書くと可哀そうだけど)。
そのため活動拠点は日本で、日本の犯罪を守るために働く。
それに今回は他国同士のクーデター。双方の国の警察が解決すべき問題であって、関係のない他国のブレイブポリスに出動要請を頼るなど、どう考えても筋が違う話。
デュークも「よその国の警察が介入してはならない」と忠告する。どちらか一方を助けたり攻撃することはあってはならない(日本が『○○国を味方した』と思われないようにする為だ)。
こういうのは国連がなんとかする話であり、他国が独断で仲介しに行ってはいけないのである。
しかし冴島さんによると、実はクーデターではなく、テロだといい、テロを行っているのは量産型チーフテンだというのだ。
こうなってくると、話は変わってくる。そのため、ブレイブポリスは出動を決定します。
・デッカード達は、敵だとはわかっていても、同じ超AIを持つチーフテンを破壊するのに乗り気ではないようだ。
しかし勇太は、犯人はデッカード達の心を踏みにじる行為だとして、事件を解決を決意する。
人の心に勝手に潜り込み、コピーして他の機械に貼りつける。心はそんな安易に扱われる存在ではないと怒るのだった。
この勇太の心は嬉しいだろうな。
・チーフテンとの戦闘。
シャドウ丸が事前にサーチしてくれた結果、チーフテンの弱点は既にわかっており、戦闘はブレイブポリスが優勢に思えた。
しかし、超AIを書き換えられ兵器と化したビクティムが襲い掛かる。
同じく超AIを持つロボットとして、勝手に心を書き換えられ、何も知らぬまま動いているビクティムが哀れと感じるファイアージェイデッカーは、どうしても本気でビクティムを倒すことができない。
戦いながらも「お前は超AIを書き換えられている」と叫び、かつての自分を思い出してほしいと伝えるも、ビクティムには届かなかった。
・一転して形勢逆転となったブレイブポリス。そこにノイバーが現れる。
彼には母親がおり、その名はエヴァ・フォルツォイク。
超AIシステム(フォルツォイクロン)を開発した‥‥ってことは、ブレイブポリスの母でもある。
フォルツォイクロンシステムは、人間の脳を工学的に再現されたAIである。
エヴァはこのシステムを利用し、心を持ったコンピューターを作ろうとした。
研究するにつれ、机上では飽き足らず、人体実験まで行ってまでして人の心を知ろうとした(脳の解剖とかかな?)。
しかし、それはもはや犯罪の域であり、エヴァは逮捕された。
刑が解けたら再び科学者のとしての復帰を──という温情により、コールドスリープの刑に処されたが、ノイバーは「母の頭脳を後世に再び利用する為、あえてその刑に処した」と恨んでいた。
それでも、また母が復帰すれば、今度こそ──と思っていた矢先、全くの偶然により、日本の警察が超AIを搭載したロボットを造り出してしまったのだ。
母は人体実験をしてまでやろうとしてしていたのに、大した苦労もせずに超AIを搭載されたロボットを生み出し、活用し、あたかも自分達が開発したって顔をしている。
そしてそれを認める社会が、ノイバーにとっては理不尽に思えたのかもしれない。
ノイバーにとっては、理不尽極まりない世界に見えていたのでしょう。
命は、超AIには存在しない。
ブレイブポリスは勿論それを理解している。だから自分たちより、生命を持つ人間の方がはるかに尊い。
でも心となると、人間も超AIも同等の価値を有している。
超AIが犯罪を犯したとき、超AIを破壊することができる。その決定権を人間は持っている。
犯罪を犯した超AIを破壊する行為は、人間で例えると『死刑』と同等の意味をなす。
しかし彼らを人間として扱い、人間と同じ処罰を受けさせるのならば、破壊する行為は正しくないと冴島さんとレジーナは言っていた。

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