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■ヤルルの戦闘『魔獣の襲撃2』の日。 たどり着くと、待ってましたといわんばかりに、魔獣はヤルル出迎えた。 「ルドックが魔獣に殺されたのは知っているな?」と、敵はニヤリとほくそえむ。。そして‥‥「その犯人はコイツだ。町の住人が、何故お前達を見て逃げ出したと思う?このジャックハウンドに怯えたからだ」と、ラッシュを指差した。 ヤルルは、え!?と驚くが、嘘をつくなと魔獣に攻撃を浴びせる。 すると魔獣は、「じゃぁ本人から教えてもらえ」と言い残し、立ち去ってしまった。 ●気まずい雰囲気が辺りに漂っている。ヤルルは、ラッシュから真実を聞きたいけれど、怖くて口を開けない‥‥そんな感じなのだろう。 でも、いつかは聞かなくちゃいけない。私は、ずっとずっと真実を知りたかった。知るチャンスは、きっと今しかない。今を逃してはいけない。ねぇヤルル、思い切って聞いてごらんよ。大丈夫、お姉ちゃんがついているから。 ヤルルは、やっと重い口を開いた。 「父さんを殺したなんて‥‥嘘だろ?それに、人間の言葉が話せるなんて‥‥嘘だよね?」と、否定しながらも聞くヤルル。 しかし運命とは残酷なもので、ラッシュが発した言葉は──。「すまないことをした」と、悲しい事に、人間の言葉で返ってきた。ラッシュは、自分がヤルルの父を殺したと白状したのだ。 それを聞いたヤルルは大パニック。そりゃそうだよね。父を探す旅に出ていたのに、父はもう死んでいて、しかもその敵が、よりにもよってラッシュなんだから。 ヤルルはラッシュに、「目の前から消えろ!」と暴言を吐き、走り去ってしまった。慌ててヤルルの後を追う私だが、ラッシュは、そこから動けずにいた。ヤルルにとってはラッシュは友達。でも‥‥敵。私でも戸惑ってしまう展開。子供のヤルルには、背負いきれないだろう。 ※しかし、プレイしている身にとっては、ついつい現実を見てしまう。ラッシュは良い戦力だったのにな~。惜しい! ■フェリミの事件「ミライア進軍」の敵が現れた。早速、フェリミに急行してもらうことになりました。敵は姉の軍隊‥‥辛いと思うけど、頑張ってね。 a
■今日はフェリミの戦闘の日。 ヤルルの傷心を考えると、いますぐにでも会いに行ってあげたいけれど、それが出来ないのが天使である。 ●フェリミが、姉を止める為にやってきた。さすがに‥‥ミライア軍勢は強かった。しかし‥‥フェリミはもっと強かった(汗)。最強の技を連撃にすれば、もはや敵なし!あっという間に倒してしまった。 兵士が倒され、ミライアが草陰から現れた。ふっ、やっとアンタのおでましかっ!と睨みつけてやろうかと思いましたが、それでも彼女はフェリミの実の姉の為、そこまでは出来ない。 フェリミはミライアに駆け寄り、もうこんな事は止めるようにと説得する。 「姉さんを止めに来たんだ。こんな無益な戦いはもう止めようよ」。しかしミライアはふんっと鼻で笑い、フェリミを見下しながらこう言い放った。 「弱者は生きる価値がないのよ」。えっ‥‥?と、硬直するフェリミ。私もつられて硬直する。台詞を聞くだけでも唖然とするものなのに、声優:根谷さんの口から出ると、見下し感がいっそう強くて‥‥(爆)。 フェリミはハッと我にかえり、「何てことを言うんだ!?」と責める。しかし、ミライアの口調と、彼女に纏わりつくオーラを見ていると、もしかして彼女って、堕天使に良いように利用されているだけなのでは? ■リュドラルの『魔竜の襲撃』事件が発生した。早速リュドラルに急行してもらった私。 全く‥‥魔獣は襲撃してくるわ、ミライア軍勢は進軍してくるわ、魔竜は襲撃してくるわ‥‥今は侵略ラッシュなのかしら?
■『魔竜の侵略』の地点にたどり着いたリュドラル。 見るからに悪そうなマキュラ竜を相手に、剣を構えて戦闘態勢OKのリュドラル。 「ハァッ!」と勢いよく剣を振り上げた瞬間‥‥私は凍りついてしまった。 リュドラルには全く剣圧が無く、剣に切れ味も無く、至って平凡な剣技。ダメージこそはあるものの、他の勇者に比べて、遥かに弱いのだ。 シーヴァスの剣技は、こんなもんじゃなかった。もっと‥‥なんというか、勇者の剣技というか、彼の殺陣は凄かった。 でもリュドラルの剣技は、こういっちゃ悪いけど──(汗)。 ●対して、マキュラの攻撃は──凄い!というか、怖い。咆哮一発だけで、リュドラルのHPがみるみるうちに減っていく。回復をかけてもかけても全然追いつかない。リュドラルに連撃をかけたいが、LV3の連撃をかける前に殺されてしまいそうだ。 「リュドラル、逃げなさい!」。リュドラルの腕を鷲づかみにし──退散~~~!!! 逃げる途中、私はムチャクチャ凹んでいました。 防具と武器を買わなくちゃいけなくなったじゃないの。HPも少ないから、ポーションも買わないと‥‥。あぁ~、計画が崩れていくわ。 ったく‥‥釣りばっかしてるからこうなるのよ!! 彼を勇者に迎えた時は、『貴方こそ勇者の鏡』と思っていたが、後半になってくると、彼の燃えたぎった勇者魂は、本当に苦労させられる。理想は分かる。モンスターと人間が、垣根無く共に平和に‥‥。彼の理想はとても分かる。でも‥‥そればっかりに力を注ぎすぎて、修行をあまりしていないような気がする。 こう言っちゃ悪いが、各勇者を訪問すると、、ほかの勇者は修行中が多いのに、リュドラルは大抵、「遊び中」「就寝中」「食事中」。修行しようよ~リュドラル。武器防具は買うけれど、所詮使うのは貴方なのよ。ろくに使いこなせず、『武器防具が歩いている』なんて笑われないでよね。
■私は今日は天界に行って、リュドラルの武器防具一式と、HPと正義感を無理やりUPさせるアイテムを買った。 うぅ‥‥APが尽きてしまった。 ●帰宅したら、『アポルオン復活』の事件が発生していた。 だ―!よりによってこんな時期に! 戦えるのは‥‥シーヴァスだけか。 早速シーヴァスを訪問し、「行ってくれますか?」と頼んだら、やはり、敵が堕天使というだけあって、彼は一発OKしてくれました。 戦闘は‥‥ゲッ!次ターンになりそう(汗)。AP少ないけど、大丈夫かなぁ。 ■そのAPを尽きさせた、リュドラルを訪問した私。リュドラルは修行中だった。偉い偉い!って‥‥それが普通なのよ、リュドラル。貴方は勇者なのだから。 ●武器防具をリュドラルにあげたら、それは大喜び。うぅ‥‥無垢だなぁ。無垢すぎて、前ターンの事も忘れてしまう。 ○HPと正義感UPのドーピング薬?を与え、元気になったリュドラル。元気になったのところで、改めて『魔竜の侵略』を‥‥とお願いしたいが、シーヴァスの戦闘が次ターンに控えており、そして、APが少ない今は、2つの戦闘を抱えることは出来ない。その為、彼に頼むのは次ターンにすることにしました。
■今日は、シーヴァスの戦闘日。『アポルオン復活』──堕天使戦だ! シーヴァスのAPは、400もない。怖い‥‥怖すぎる。 ●アポルオンを前にして、臆することも無く、シーヴァスは剣を構えて私の前に立ちはだかる。 おお~カッコいい~♪ 全く隙がなく、凛として佇むシーヴァスはやっぱり素敵。APは400も無いけど‥‥いけそうな気がする‥‥! ●戦闘開始‥‥。剣を大きく振り上げ、シーヴァスが一歩を踏み出そうとした瞬間─場の空気が読めないのか、フロリンダがテッテッテッ──とシーヴァスの前に‥‥。 「危ない!下がるんだ」というシーヴァスの警告を無視して‥‥フロリンダは拳に力を込める。 こ、これはもしや──!! 「カンガルーパ~ンチ!!」byフロリンダ。 フロリンダのカンガルーパンチが炸裂。しかもクリーンヒットだった(笑)。‥‥なんとアポルオンは、フロリンダの一発で、アッサリと敗れてしまった(笑)。ぽか~んと呆けているシーヴァス。そして──嘘でしょ~~~~と、ヘナヘナとへたり込む私。対して、えっへん♪と胸を張るフロリンダ。オイオイ、こんなことってあるのか?相手は堕天使なのよ。普通の敵じゃないのよ。それを、か弱い女妖精がパンチ一発で倒したなんて!? ●シーヴァスは3LVUPしたが、本人はなんとも喜べないらしい。だろうな、私だって‥‥意味分かんないよ(笑)。 フロリンダよ、堕天使を倒すほどの力を持っているなら、どうして前ターンで使ってくれなかったのか!? ■リュドラルを訪問し、「もう一度、『魔竜の侵略』の戦闘に行ってくれませんか?と頼みました。 勿論リュドラルはOK。 頑張ってねリュドラル。貴方がもし、今度闘っても勝てなかったら、私はフェリミにお願いしちゃうからね。 ab
■再戦、リュドラルvsマキュラ。 もう負けられない一戦。リュドラルは一度逃げ出している為、これ以上逃げる事は許されない。 さっと剣を構えるリュドラル。うわぁお、カッコいいじゃないの~。私の与えた剣がキラキラと輝いてるわ♪ 戦いも、全く遅れを取っていない。見違えるように剣技と体力がアップしたリュドラルが誇らしく、私はモンスターを指差し、「ふんっ、どうだ参ったか!」と逆に見下してやった。 ●マキュラとリュドラルの会話は、前回と変わらないが、やっぱり良いシーンの為、聞き入ってしまう。 「アウルが聞いたら黙っちゃいないぜ!」とリュドラルが叫ぶと、マキュラは、「あぁ、黙っちゃいなかったさ。だから‥‥黙らせてやった」とニヤリ。 リュドラルが振り向けば、そこにはヨロヨロと傷ついたアウルが‥‥。リュドラルは愕然としながらも、鋭くマキュラを睨みつける。 アウルを倒し、自分の方がはるかに力が強いと改めて気づいたマキュラは、リュドラルの目の前で自分の力を笑った。 「堕天使の力を借りたマキュラ様こそ、竜族の支配者なのだ」と、天に向かって吠えるマキュラ。リュドラルは頭にカァッと血が昇ってしまい、剣を構えると、相打ち覚悟で突進していく。 するとアウルが、リュドラルの前に立ちはだかった。今のリュドラルの力では、相討ちどころか、逆に殺されてしまうるのが関の山。今はいったん引け!とアウルはリュドラルに叫ぶ。『お前は勇者。ここでは死んではいけない』と‥‥。 リュドラルは、それでも闘おうと剣を構え続けるが、『自分は勇者である』という自覚も頭にあったのか、マキュラが立ち去るのを、黙って見届けるしかなかった。 ●傷ついたアウルは、私の回復を受けるのを拒んだ。「私は死ぬ。それで良い」と、素直に死を受け入れた。 生まれた時から共にに生きてきたリュドラルは、「いつまで経ってもアウルが一番だよ。ずっと‥‥」と、今にも泣きだしそうである。 アウルは、“長”として、“父”としてリュドラルに優しく語りかける(声優が永井さんなので、心にグッとくる)。 人間でありながら、竜に育てられたリュドラル。その生まれは、普通の人間とは異なる生き方だった。普通の人間の生活に馴染めない。それは──不幸かもしれない。人間の村に、人間として生まれていればl、幸せだったかもしれない。でもアウルはそうは思わず、リュドラルを“希望”として見ていた。『勇者』となり、人間とモンスターの架け橋になりたいと奮闘するリュドラルの背中を、アウルは誇らしく思い、己の信じるままに生きるリュドラルを誰よりも嬉しく思っていた。 「正しく生きろ‥‥わたしの息子よ」。アウルは、静かに息を引き取りました。 このシーンはとても感動的で、ドラマCDにも入っています。そして、その時の神谷さんの演技がとても素晴らしくて、貰い泣きしてしまいます。 ★当時は新人だった神谷浩史さんですが、新人とは思えないほど、リュドラルの演技が素晴らしくて。その後、あっちこっちで主役を演じていらっしゃる姿をアニメで拝見すると、「やっぱり~だって凄い上手かったもん!」の知人の一言に、うんうん!と、納得してしまう。 a
■リュドラルに同行した私。 アウルを失ったリュドラルをホッポリ出して、他の勇者に同行するなんて非道な事は出来ません。 ●久しぶりに村に戻ったリュドラル。生まれ故郷を目の前にして、アウルが生きていた頃を思い出したのか、少し顔は曇っている。 それでも、「ここは俺の故郷だから‥‥」と、村の奥に踏み込んでいくリュドラル。しかし、人の気配が全く感じられないので、不審に思う。 「本当だ、誰も居ないですね‥‥」。更に奥へと進んでいくと、トリシアの姿が目に入った。 「トリシアー!」と手を振り、駆け寄るリュドラル。するとトリシアは、リュドラルを見るなり、悲鳴を上げて一目散に逃げ出した。 「こちらに来ないで下さい!!」と、酷く怯えるトリシア。リュドラルは、「え!?」と放心状態。青ざめてフリーズしてしまった。 トリシアの悲鳴を聞きつけて、村長が血相を変えて飛び出してきた。 村長は、「竜の手先め!」とリュドラルを鋭く睨む。そして、「竜の手先に近寄るんじゃない!」と、早くそこから逃げるようにと、トリシアに叫ぶ。するとトリシアは、逃げるように村長と共に、森の奥へと消えていった。 「竜の‥‥手先‥‥」。リュドラルは俯いて佇む。その背中が、ああっとても悲しそう。 悲しい‥‥とても悲しい‥‥。竜の世界からは追い出され、人間の世界からは疎まれるなんて──。『竜でもない、人でもない』。竜でもなく人でもないからこそ、客観的に物を見る目を養い、“架け橋”になろうと頑張ってきたのに‥‥その運命は、リュドラルに孤独しか与えてくれないのだろうか? ホント悔しいね‥‥。 a
■アウルを失い、村の信頼をも失ってしまったリュドラル。朝を迎えても、彼の悲しすぎる背中が、私の頭から離れてくれない。 他の勇者の誰かに同行したいけれど、リュドラル以外の勇者に会って、一日を笑って過ごすほど、私は無神経ではない。と、いうわけで‥‥今日もリュドラルに同行です。 ●開口一番、「なんだ‥‥えみりかぁ」と、死んだような目で私を見つめるリュドラル。その声は、とてもか細い。 なんだとは何よ!とは、冗談でも言えない私。リュドラルは、ボーっと窓の外を眺めては、時折とても悲しそうな目を見せる。 やだなぁ、こんなリュドラルは。いつもみたいに明るく笑って欲しいのに。 「ねぇリュドラル。外に行きましょうよ。晴れてるわよ~上天気。そうだ、釣りでもしようか?大物でも釣ってご馳走してよ。ね♪」と、強引に私は、リュドラルの手を引っ張って外へと連れ出した。 ○快晴なのに、リュドラルは足元もおぼつかない。私が手を離したら、グシャッと地面に突っ伏してしまいそうなほど。 痛々しいなぁ‥‥、あんなに熱血な子だったのに。 小高い丘に並んで座り、私はリュドラルにそっと聞いてみた。彼がどのように生まれ、どうアウルに育てられたのか‥‥。私が今までリュドラルとアウルと接してきて、知りたかったこと、話して欲しかったことを、思い切って投げかけた。 するとリュドラルは、すこしずつ‥‥話してくれた。 リュドラルはアウルを本当に親のように慕っていた。彼の背に乗って大空を舞い、とてもワクワクした事。子供ながらに、自分も飛びたいと憧れた。でも──アウルと一緒に居れば居るほど、心の中は、寂しさが募っていったという‥‥。 「俺は、竜の中では竜じゃない。人の中では人じゃない。どちらの世界からも必要とされていないないんじゃないか──って、思う時期が度々あった」 リュドラルの悩みや思いが、溢れるように一気に吐き出されていく。言うだけ言ったリュドラルは、少し表情が柔らかくなったような気がする。 私は、リュドラルの思いを受け止めながら、でもね‥‥とリュドラルにこう返した。「アウルはさぁ~、貴方が、人と竜の架け橋になってくれたらいいなって思ってたのよね。でも今の貴方は‥‥こういうことを言ったら悪いけど、架け橋になれないと思うわ。今のままでは──ね」。 すると、え?っという顔をするリュドラル。 「どうして『竜でもなく人でもない』と思うのよ。そんなこと言っちゃったら、“架け橋”以前の問題で、居場所自体が無いじゃないの。考え方が違うでしょ。『竜であり人である』。そうでしょ?貴方が、自ら「竜じゃない」って決め付けてしまったら、貴方を息子と慕って死んだアウルは、一体何なのよ!?」 リュドラルは、ぐっと手に力を込める。そして──「そうだな。えみりの言うとおりかもしれない。‥‥頑張るよ、俺」と、小さな声だけど、力強く言ってくれた。 よし元気になったわね!さぁ、このまま少し歩きましょうか? ★この勇者リュドラルの生まれ──。竜として‥‥人間として生きる彼の生き様はファンの心をぐっと掴み、なんと小説になってしまった(笑)。 『竜でもない‥‥人でもない‥‥居場所が何処にも無い』と葛藤しながらも、自分なりに答えを見つけ出していくリュドラルを見ていると、とても勇気付けられます。 a
■今日はフェリミに同行です。 フェリミを探して行き着いた場所‥‥それは、ミライア軍が去った後の廃墟だった。 がれきをかきわけてフェリミを探しだす私。埃っぽく、ゴホゴホとむせる砂煙の中、人影を発見。 影の正体はフェリミだった。汚れたぬいぐるみを撫でながら、今にも泣き出しそうな顔をしている。 「‥‥フェリミ?どうしたの?」。私が声をかけると、フェリミはゆっくりと振り向いた。「あぁ‥‥天使様。いらしてたんですね‥‥」。うっ!目が死んでいる!! フェリミは周りを見渡し、「見てくださいよ、この惨状を!」と、やり場の無い怒りを、私にぶつける。「姉の軍勢がしたことです。酷いですよ‥‥これは──」 ぬいぐるみを、静かに撫で続けるフェリミ。幼かった自分と重ね合わせているのでしょうか?確か、フェリミも戦場孤児だったって聞いた。 「勇者としてなら、姉を倒さなければならないでしょう。でも僕は、姉を倒すことが出来ない。姉の苦しみに気づいてあげられなかった僕にも原因があるのだから‥‥」と嘆くフェリミ。姉がこうなってしまったのは、姉を見放した自分にも非があると言うのだ。う~ん、それはちょっと‥‥違うと思う。100歩譲って、原因が本当にフェリミにあったしても、実際に行動を起こしたのは姉自身。フェリミに非があるわけない。そんなに自分を責めないでよフェリミ‥‥ まったく──。ヤルルもリュドラルもフェリミも‥‥折れそうな心で今まで必死に自分を支えてきていて、天使の私の為に、怯えながらも勇者として敵に向かっていったんだなと思うと、なんとも切なくなってくる。 a
■ミライアと直接話をしにいくというフェリミに、私も同行しました。 馬車の音を聞いただけで、「きっと姉さんだ!」と表に飛びだすフェリミ。馬車の音なんてどれも一緒じゃん!なんでわかるんだろう?ちょっと怖い。 ●フェリミの言うとおり、馬車からはミライアが降りてきた(汗)。 降りるなり、笑顔でフェリミを見つめるミライア。いつ見ても不思議だ。こんなに優しい彼女が、なんであんな凶行を行うことが出来るのだろう‥‥。 ミライアはフェリミに、自分の元に帰ってきてくれ。私を独りにしないでと頼む。う~ん、この人も可哀想な人なんですけど‥‥。 フェリミは、「今の姉さんはおかしいよ!姉さんのせいで、昔の僕たちのような子供達が生まれているんだ。それは姉さんの望んでいる事じゃないだろう!?」と、説得する。 するとミライアは考え込んで‥‥「そうね」と言うではないか。「分かってくれたんだね!」とフェリミは喜ぶが──ちょっと待て、展開が何だかアッサリすぎないか? お構い無しにフェリミが姉に近寄ると、突然彼女が苦しみだした。優しい顔つきからいっぺん、険しい顔に変貌し、「いえ、止めないわ!」と強く断言する。 「私は力を失うわけにはいかない!堕天使と契約している事で、私は力を持つことが出来るのよ」と、ミライアは“堕天使”の名を挙げる。「私と共に行かないなら、貴方は敵よ。今度会ったら、弟の貴方を殺すわ」と言い残し、去っていった。 堕天使‥‥!?なるほど、彼女の中には、ミライア本人の人格と、堕天使の2つの人格が混在しているんだ。だから時折、優しい姉ミライアの顔をフェリミに見せるのか──。まさか、堕天使に操られているなんて‥‥。フェリミは愕然とし、どうしよう~と、私の顔を見つめて救いを求めるが────そんな事言われても‥‥私だって、どうしたらいいか分からないわよ(爆)。 |